第3回開催報告(2007年3月9日)

ページ番号1002229  更新日 2021年9月14日 印刷

日時

2007年3月9日(金曜日)午前9時25分から11時52分

場所

日本環境安全事業株式会社豊田事業所

議題

  • 豊田PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理事業における豊田市の対応について
  • 不具合事項等における日本環境安全事業株式会社の対応について
    • 豊田PCB廃棄物処理施設における施設内からの上水の流出
    • 豊田PCB廃棄物処理施設真空加熱分離エリアにおける冷却水の漏れ(中間報告)
    • 豊田PCB廃棄物処理施設におけるベンゼン濃度の管理目標値超過(中間報告)

委員会の様子

委員会の様子の写真1

委員会の様子の写真2

写真

議事内容(要旨)

(1)豊田PCB廃棄物処理事業における豊田市の対応について

前回の安全監視委員会以後に日本環境安全事業株式会社から報告された不具合等におけるその状況や市の対応、問題点等について、事務局(豊田市環境部環境保全課)から報告がありました。

工程分離液処理室からの上水流出について

概要

  • 工程分離液処理室内の蛇口が開いているのにもかかわらず、その元栓を開けたために上水が流出した。
  • 流出水は防液堤を乗越え、屋外へ流出し、敷地内の側溝を通じて逢妻男川に流入した。
  • 流出水及び逢妻男川の水質検査結果ではPCBは検出されなかった。

市の対応

  • 立入調査により流出状況等を確認した。
  • 残った水の回収、清掃等の応急の措置を指示した。
  • 敷地内の滞留水及び逢妻男川のPCBの水質検査を実施したが、PCBは検出されなかった。
  • 原因究明を早急に行い、対策の報告を指示した。

主な問題点

市は、今回の不具合により下記の問題点を把握し、これらの問題点の原因究明及び再発防止対策を行うように日本環境安全事業株式会社に指示した。

  • 逢妻男川へは、浄化槽排水、雨水、間接冷却水以外の排水は放流しないことになっていたが、事故が起きても排水を施設外へ流出させない対策が取られていない。
  • 元栓の開閉の作業等の工事の進捗状況における日本環境安全事業株式会社の管理監督が適切に行われなかった。

真空加熱分離エリアからの冷却水の漏洩について

概要

  • 真空加熱炉を冷却する装置の内部配管の破裂により冷却水が遮蔽フード内の床に漏洩した。
  • 漏洩した冷却水はセーフティネットである遮蔽フードを通過してその一部が別エリアにも漏出した。
  • 施設の外への漏洩はなかった。

市の対応

  • 立入調査により冷却水の漏洩状況、回収状況を確認した。
  • 立入調査により全ての真空加熱炉及び受入作業等の停止を確認した。
  • 排気のオンライン及びオフラインモニタリングがともに異常なく、PCBの屋外への漏洩がないことを確認した。
  • 熱交換器の破損原因、遮蔽フードの漏洩原因を究明し、遮蔽フードの安全性が確認できるまではフード内の設備を稼動させないよう指導した。

主な問題点

市は、今回の不具合により下記の問題点を把握し、これらの問題点の原因究明及び再発防止対策を行うように日本環境安全事業株式会社に指示した。

  • 遮蔽フードは、万が一の事故の際にもPCBの外部への漏洩を防ぐセーフティネットとしての設備であり、施設内とはいえ遮蔽フードから漏洩したことは、重大な欠陥である。
  • 遮蔽フードの不備が試運転や完了検査、安全総点検などが実施されたにもかかわらず、見過ごされ、適切な措置がとられなかった。

ベンゼン濃度の協定書に基づく管理目標値超過について

概要

  • 3-2系統排気のベンゼン濃度が市との協定書に基づく排出管理目標値を超過した。
  • 3-2系統の排気量は少なく、市のベンゼンにおける一般環境調査結果でも大きな変化はなかった。

市の対応

原因究明及び改善対策を実施し、その結果を報告するよう指示した。

主な問題点

市は、今回の不具合により下記の問題点を把握し、これらの問題点の原因究明及び再発防止対策を行うように日本環境安全事業株式会社に指示した。

  • ベンゼンの濃度の上昇に気付かず、活性炭の破過(寿命)に気付かなかったことは、協定書に基づくモニタリング結果が活用されていなかった。
  • モニタリング箇所が排ガス処理装置の後であり、セーフティネットの考えに基づく活性炭の前及びその間でのモニタリングがなされていなかった。

(2)不具合発生箇所の確認

安全監視委員による工程分離液処理室からの流出経路及び真空加熱分離エリアの冷却水が漏れた真空加熱炉について現場で確認を行いました。

(3)不具合事項等における日本環境安全事業株式会社の対応について

日本環境安全事業株式会社から不具合事項の原因究明及び再発防止対策の取組み事項についての説明がありました。

重大性の認識

日本環境安全事業株式会社は、不具合が度重なり発生したことで安全操業の観点からの重大な事象であることを以下のように認識している。

  • 作業手順、作業管理体制の面で基本的な事柄が遵守されていない。
  • 熱交換器の設置や使用方法に本来の仕様と異なっていた。
  • 遮蔽フードに隙間があったことは施設の安全性能を確保する上での根幹部分に重大な問題である。
  • 最終の活性炭が万一のセーフティネットの役割になっていない。

対策にあたっての基本的な姿勢

今回の問題となった設備等の直接的な対策にとどまらず、施設・設備のハード面と体制・能力のソフト面の両方で対策を講ずる。

設備・体制について

セーフティネット及びフェイルセーフの本来の機能が確実に働くことの確認、必要な補修、改良等を行う。

体制・能力について

  • これまでの体制・方法で生じた問題点を踏まえて、施設の安全性を確保する上で責任を明確にし、適切な体制・方法とする。
  • 管理職員、監督員、運転員、作業員等の能力・意識を継続的に向上させる。

主な具体的な対策事項

工程分離液処理室からの上水流出について

漏洩感知機能を追加する。

真空加熱分離エリアからの冷却水の漏洩について

  • 真空加熱炉に設置される全ての熱交換器を交換する。
  • 冷却水の流量が低下した場合の警報装置を追加する。
  • 遮蔽フードの溶接及びコーキングを再施工する。

ベンゼン濃度の協定書に基づく管理目標値超過について

排気処理装置の活性炭を交換する。

(4)主な質問と回答

質問

上水流出時の市への連絡が遅いのはなぜか。

回答
本社への報告は、上水の流出で土嚢により流出防止対策が成されたとあったため、判断を誤り、夜間であったので翌日に報告にした。その件を踏まえて真空加熱分離エリアの冷却水の漏洩時には夜間でも市に連絡した。市については連絡を受け、直ちに立入調査を実施した。

質問

作業者の労働衛生管理や健康状態はどのように把握しているのか。

回答
PCB(ポリ塩化ビフェニル)作業に従事する前から作業者の血中のPCB(ポリ塩化ビフェニル)濃度等を測定し、管理している。その状況については作業安全衛生部会に報告し、その委員から必要な指導を受けている。

質問

他の事業所で同じような不具合は発生しているのか。他の事業所の問題を参考にして改善を図るような対策を行っているのか。

回答
全国で5事業所あり、現在4事業所で操業している。豊田以外の3事業所では冷却水の漏れ等の不具合は発生していない。北九州では天井のパネルが落下することはあった。不具合事項は本社に報告され、そのことを各事業所との情報交換を行っている。また、全事業所の安全管理を担当する部署の会議も行い、情報の共有を図っている。

質問

熱交換器の銅管が破断したのはなぜか。

回答
熱交換器は当初の仕様と異なる施工及び使用がなされていた。施工では冷却水の流れが逆であり、使用では連続運転としていたことを間欠運転としていた。そのことにより、真空加熱中の高温時の蒸気の逃げ道がなくなったため、瞬間的に高い圧力がかかり、管が破断したと推測している。

質問

ベンゼンを処理する活性炭の交換目安の基準はあるのか。

回答
寿命は約1年であり、活性炭が詰まると差圧に影響が出るとのことで差圧の管理している。今回では差圧に変化は見られなかったため把握の方法が適切でなかったため他の方法を検討する。

質問

ベンゼンをオンラインモニタリングで測定はできないのか。

回答
ベンゼンのみを測定するのは難しいため、オンラインではないが、ベンゼンを含むVOC(揮発性有機化合物)を測定する装置を検討している。測定の頻度を高めて、2連の活性炭の間で測定し、管理することを考えている。

意見・要望

  • 軽微な不具合事項でも委員に情報提供して欲しい。
  • 家庭でも気を付ける水道蛇口の開閉ミスや熱交換器の配管ミスのような非常にレベルの低い事故が発生したことは非常に残念である。
  • 点検する体制はわかったが、点検時の設備に対する数値的な評価がなされていないので、防液堤の容量や圧力の余裕等を点検するときは設備の数値的な評価の確認をお願いする。
  • 緊急時の連絡体制に時間設定をしてはどうか。
  • 工事や点検を行うときに事前の打合せや部品等をしっかり確認し、終了後は担当者と安全対策担当で確認する管理体制を確立すること。
  • この処理事業がナショナルプロジェクトであり、非常に重要であることの再確認すること。
  • 度重なる不具合の発生は市民や関係者の信頼を裏切るものである。一旦失われた信頼を回復するにはかなりの努力や時間が必要となる。そのことを踏まえて、施設を再稼動させる場合には、関係者の理解を十分得るよう説明責任を果たすこと。

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