第4回開催報告(2011年2月11日)
日時
2011年2月11日(金曜日) 午後1時30分~5時
場所
日本環境安全事業株式会社 豊田事業所
議題
豊田PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理施設の今後の安全対策について
委員会の様子
2011年2月11日(金曜日)午後1時30分から、日本環境安全事業株式会社(以下「JESCO」といいます。)豊田事業所において、2010年度第4回豊田市PCB処理安全監視委員会を開催しました。
今回の委員会は、2010年末にPCB油漏洩事故の対策として、JESCOが施設を自主的に止めて実施していた安全総点検が終了したと市に報告があったことから、開催したものです。また、第3回委員会で決定していた施設立入についても併せて行いました。
委員会には委員13名、オブザーバーとして愛知県資源循環推進課と豊田市消防本部、その他に、環境省産業廃棄物課、JESCO、運転管理会社(以下「TKS」といいます。)が出席しました。
また、市議会環境福祉委員会の議員3名が会議に参加し、一般傍聴者7名が会議を傍聴されました。
写真
議事内容(要旨)
安全総点検の結果について
(1) 再生計画報告書の概要説明(JESCO)
JESCOから、再生計画報告書の概要について、市の指導を受けて行った各対策実施状況(手順書の見直し、過去の事故等の再確認、管理体制の見直し等)を中心に、スライドを用いて説明しました。
また、第3回の委員会で委員から「第三者を入れて、手順書や管理体制を作ってはどうか」との意見があったことから、JESCOでは、労働安全衛生コンサルタント2名の指導を受けながら、再生計画を進めたことを報告し、その2名からJESCOの報告書に対する総評が行われました。
(2) 安全監視委員会設置要綱の規定に基づく立入調査
第3回の委員会で決定した、安全監視委員会による立入調査を行いました。
まず、中央制御室にて作業員の引継ぎ状況や各種書類の確認を行い、その後2班に分かれて、年末の事故現場や実際の対策実施状況等を実地に確認しました。
(3) 総点検に係る立入確認について(豊田市)
市から、JESCO停止期間中に行った、4回の詳細立入の結果について、時間の都合上、監視委員会で立入確認が出来なかった対策、夕例会議や安全パトロールの状況等を中心に報告しました。
(4)主な質問と回答
質問
新たに作られた、「非定常作業フローシート」や「文書化すべき指示・連絡の判断とその方法の設定」は、いつ、誰から、どのように教育を受けたのか、実際に教育を受けた作業員に伺いたい。
回答(TKS)
作成したスタッフから、複数回に分けて教育を受けた。
質問
報告書に「多くの人が入れ替わって」とあるが、どれくらいの人が入れ替わるのか。また、新しい人に対してどのように教育訓練を行うのか。
回答(JESCO)
TKSだと平均で年間3分の1が入れ替わる。新人には新入社員用の教育プログラムが別にあり、まずは職場で安全に操作ができるようになってもらう。そして更に、今回の安全に関する教育も受けることになる。
質問
社員の入れ替わりが多いとノウハウの蓄積に影響が出る。入れ替わりを少なくする改善や見直しはどのような状況か。
回答(JESCO)
発注者としては、作業環境を改善する設備改良については、極力実施するようにしている。PCB廃棄物処理事業は法律で期限が限られている。PCBの処理が終わればTKSも会社として終わってしまうという宿命がある。
回答(TKS)
幹部、職長や班長クラス以上の中核になって運営している者、第一線で運営している者は大体、4年から6年ほとんど替わらずに技術を継承し、技術力を上げてきている。入れ替わりが多いのは、実作業を行うメンバーであるため、安全操業をする上での入構教育に始まり、座学、OJT(現任訓練)をし、順番に試験をして一定の水準を確保する仕組みを作り上げている。特に中央制御室のようにコンピュータを利用して施設の維持管理をするところは、若手の高学歴な者で構成されており、それなりのポテンシャルをもって操業に望んでいると思っている。
質問
まだこれからセンサーを設置する所があるということだが、市は設置の計画をもらっているのか。また、どのように確認していくのか。
回答(JESCO)
設置計画はもらっていないが近日中に設置されると聞いている。今後立入で確認していく。
質問
800もの手順書を見直して、多い人では30~40も覚える必要があるとのことだが、重要なものとそうでないものの分けはあるのか。また、マスターできているかのチェックはどのようにするのか。
回答(JESCO・TKS)
重要度による階層別分類はしていない。上司が判断し、重要度に応じて教育を行っていく。チェック体制については、TKSで内部基準を持っており、作業員一人一人、テスト等により何の作業をやって良いか許可制にしている。新人が着用する腕章もその一つである。
質問
手順書はどのようにフィードバックされているのか。
回答(TKS)
スタッフがたたき台を作ってから、現場関係者等で何回も審議して練り上げていく。
質問
手順書や連絡体制等様々なものが掲示されているが、小さくて見えない。手順書であれば、要所だけを取り出した要領書を作って大きく掲示してはどうか。
回答(JESCO)
検討する。
質問
液受ポリタンクが残っているが、液面センサーを付けて警告(ランプとブザー)を発するとのことだが、重要な装置ではセンサーが作動したら、装置を自動停止させる必要があるのではないか。
回答(JESCO)
現場で見ていただいた操業管理システムは、停止させてしまった方が影響が大きいので、液面センサーを作動させないように管理することが重要。重要な機器については、インターロックが作動する機器は数多くある。
質問
4トンリフトの2月分の点検が7日しかされていない。
回答(TKS)
現場で見られたのは始業前点検のものであり、現在施設停止中のため行っていない日がある。これとは別に月例点検等はきちんと行っている。
質問
セミナー計画にPCBの毒性に関する教育がない。
回答(JESCO)
衛生の教育はこれとは別に定期的に行うこととしている。
質問
過去の事故に対して行った再発防止対策が、本当に生きているのか、実施されているのか、実施されていなかったら、なぜ実施されていないのか。そこを追及しないと、新たな会議体を持ったとしてもつぶれてしまう。JESCO、TKSで人がどんどん入れ替わっていく中で、忘れられていくことがないような仕組みづくりをして欲しい。
回答(JESCO)
過去に約束したことを一つ一つ見直して、確認をしていく。「安全の日」の取り組み方を、そのように変えていくことで対応したい。
意見・要望
- 漏れた量で対応が大きく異なってくるので、作業員の習熟度を上げ、どうしてこのような差があるのか、作業員自身が分かるように教育して欲しい。
- 人が替わっても対応できるように、EMSと整合性を取り、仕組みに落とし込んで欲しい。
- 過去の事故事例がまとめて整理されているが、その要因がなんであったかをもっと追及し、今後に生かせるようにして欲しい。
- なぜなぜ解析(深層究明)が甘い。言い訳ではなく、仕組みに落とせるまで解析をして欲しい。
等の意見が出されました。
今後の対応について
(1) 今後の対応方針(決意)について(JESCO)
施設再開に向けて、JESCOから次のように決意表明がありました。
- 再生計画の実行にあたり、施設運転の第一線に携わる人たちが手順書を見直したので、非常に理解が深まった。
- 漏洩に対しては、液面センサー等出来るだけ機械的にガードできるようにしたが、安全については、これだけやれば大丈夫ということはないので、今後も安全操業確立のために不断の努力をしていく。
- 本日各委員から頂いたいろいろなご意見については、JESCO全社、運転管理会社としても受け止めていく。
- 信頼というのは一朝一夕の問題ではないので、安全操業もさることながら、今後も皆様に我々の努力を報告して、ご指導、ご意見をいただきながら進んでいきたい。
- 今回の事故に関しては、市民の皆様、豊田市議会にも大変ご心配をおかけした。今回、市議会から市に提出された意見にも沿う形で再生計画の中で対応させていただいた。
- 今後、再稼動に向けて、JESCO、TKS一丸となって全力で取り組むことを誓う。
安全監視委員会としては、今回のJESCOの取り組みについて一定の評価ができるとして、今後の再開を見守っていくことになりました。
最後に、委員長から、安心した後にまた事故を起こして、努力が水泡に帰すことのないよう、この日を忘れないこと。今回のJESCOが起こした事故の影響は非常に大きく、地域住民、保管事業者等様々な方々に迷惑をかけたことを十分認識し、二度と同じようなことを繰り返さないよう、しっかりと検証して研鑽を続け、一刻も早く地域の皆様の信頼が取り戻せるような体制を整えること、と付言がありました。
(2) 豊田市からの報告
2月2日にJESCOから再生計画報告書と併せて受けた、施設再開に向けた意見の照会について、安全監視委員会や市議会の意見を踏まえながら、市としての意見を取りまとめ、JESCOに対して回答していくことを報告しました。
議事録
委員会だより
配布資料
- 次第 (PDF 7.9KB)
- 委員名簿 (PDF 11.7KB)
- 席次表 (PDF 17.2KB)
- 資料1-2 豊田事業所再生計画報告 (PDF 2.5MB)
- 資料2 総点検に係る豊田市の立入確認について (PDF 1.3MB)
資料1-1 豊田事業所再生計画報告書
(注釈)JESCOホームページにあります。
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業務内容:産業廃棄物処理業などの許認可、産業廃棄物の指導、PCB処理事業、PCB廃棄物に関すること
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