第3回開催報告(2010年12月24日)

ページ番号1002214  更新日 2021年9月14日 印刷

日時

2010年12月24日(金曜日) 午前10時~正午

場所

豊田市役所南51会議室

議題

豊田PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理施設の今後の安全対策について

委員会の様子

2010年12月24日(金曜日)午前10時から、豊田市役所南51会議室において、2010年度第3回豊田市PCB処理安全監視委員会を開催しました。

今回の委員会は、今年夏から受入エリアで発生した漏洩事故を受け、11月1日に行った第2回監視委員会において、JESCOに対して気を引き締めて再発防止対策に取組むよう求めましたが、その後も単純作業ミス、判断ミスにより相次いでPCBを含む油の漏洩事故が起きたことを受け、非常に心配な面があるということで、豊田市PCB処理安全監視委員会設置要綱第6条の規定に基づき、委員長から会議招集があり、開催したものです。

委員会には委員14名、オブザーバーとして愛知県資源循環推進課と豊田市消防本部、環境省産業廃棄物課、日本環境安全事業株式会社(JESCO)及び運転管理会社(TKS)が出席しました。

また、市議会議員4名及び一般傍聴者8名が会議を傍聴されました。


委員会の様子の写真1

委員会の様子の写真2

写真

議事内容(要旨)

豊田PCB廃棄物処理施設の今後の安全対策について

(1) 事故の概要報告(JESCO)

JESCOから11月以降に起きた3件の事故等の概要とその対策が説明されました。

  1. 低濃度PCBを含む凝縮液の漏洩事故
    11月19日午前8時頃、6階のPCB分解エリアにおいて、定期点検の一環として実施した気密試験後に窒素ガスを抜いたところ、他の点検のために取り外してあった排気配管フランジ部分から、低濃度(1キログラムあたり9ミリグラム)にPCBを含む油が約5リットル流出しました。油は直ちに拭き取られ、PCBの外部への流出はありませんでした。
    今後の対策として、必ず配管を結合して気密試験を行うよう徹底します。業者間等との連絡を密にし、作業者の教育、管理監督を徹底します。
  2. 遮蔽フード内における低濃度PCB油の漏洩事故
    12月8日午後4時半頃、1階小型トランス解体エリア(遮蔽フード内)において、洗浄槽の洗浄液を分析するため、サンプリングラインに残留している不要な液を回収するポリタンクから、洗浄液約5リットルが遮蔽フード内の床に漏れていることを確認しました。洗浄液は、直ちに回収し、PCBの外部への影響はありませんでした。
    今後の対策として、暫定的には外部から確認できるよう、ポリタンクを透明なものに変更し、恒久的には、ポリタンクに回収しない方法へ変更します。
  3. 非常排煙装置誤操作
    11月11日午前11時頃、定期点検中に5階通路で天井裏を確認しようとして誤って非常用排煙口を開け、約20分間、排煙装置が作動しました。
    PCBがない通路部分の排煙装置であったため、施設外へのPCBの流出はありませんでした。
    今後の対策として、開放しないことを改めて徹底すると同時に、開けないように表示をしました。

(2) 問題点等の指摘及び関連報告

市から、各事故における問題点及び市の意見を述べるとともに、これら問題点を踏まえ、JESCOに対して指導票を交付したこと、豊田市議会環境福祉委員会所属議員が視察し、その報告書の中で、安全安心な施設運転がなされるよう、JESCOの指導・監視体制強化についてご意見をいただいたこと等を報告しました。

(3) JESCOの決意表明等について

市からの指導票の内容を重く受け止め、JESCO豊田事業所が再び「安全・安定運転」が可能な事業所に生まれ変わるために、年始から施設を停止し、「豊田事業所再生計画」を実行させる。この再生計画実行により、再稼動が可能と判断したところで改めて市の指導を受けて再稼動させると決意表明がありました。

(4)主な質問と回答

質問

どの事故もプロ意識を欠いた稚拙な作業による初歩的なこと。JESCOとTKSの連携プレーが機能しているのか、また、責任体制、実際の技術力や指導力は発揮されていないのではないかと疑わざるを得ない。どうなっているのか。

回答(JESCO)
真摯に振り返る姿勢と、地道に技術力を高めていくという不断の努力に欠けていたものと思われる。改めて初心に帰り、事業所員一丸となって再出発をする覚悟。

質問

事故の際に作業に携わった作業員の人数と、研修受講状況は。

回答(JESCO)
作業によって人数が違う。遮蔽フード内サンプリング時の漏洩事故では1名、分解エリア内凝縮液漏洩事故における作業では、中央制御室を含めて4名で行っていた。これらの作業員の講習は全て終わっている。

質問

中央制御室にはTKSとJESCOが配置されているのか。

回答(JESCO)
運転に係わっているのはTKSの社員であり、我々は中央制御室に常駐していない。

質問

短期間に3件の事故が立て続けて起こっている。地域住民として、これは外部漏れにも匹敵すると思われる。通常であれば、今すぐに施設を止めて点検に入るのではないか。

回答(JESCO)
安全総点検については既に準備作業を命じている。今は既に計画してしまっている搬入計画の契約の解約や延期作業を行っているため、突然施設を止めるのはなかなか難しい面がある。

質問

3件の事故とも起こった事象だけを捉えて対応しており、非常に浅い。事故に至った経緯の掘り下げが真相に至るまでなされていない。

回答(JESCO)
なぜなぜ分析も含めて、原因の深掘りについては、JESCOとしても重要と考えている。

質問

2007年に起こした上水漏洩事故も工事業者と運転管理会社とJESCOの三者の連携ミスだった。あの事故以来、どういう対策が取られ、それがどうだったのか、本当にきちんと連携を取るやり方をもう一度検討されたい。

回答(JESCO)
御指摘のとおり、JESCOとしても連絡系統の正式な手続きが踏まれなかったことについては、非常に危惧している。原因調査については、作業者個人としてどう思ったかなどの心理面を含めて調査しており、原因追求の中で取り組んでいきたい。

質問

事故対策の一つ一つが抽象的で具体的でない。これまでと同じやり方をすれば、今までの延長線上で少しは改善するけれども、気が付かないところが沢山あるのではないか。第三者を入れて、手順書や管理体制等を作っていったらどうか。

回答(JESCO)
有効な提案を頂いたので、第三者としてどこが適任かを含めて検討する。

質問

誰がどのような責任を持っているのか、どのように果たされるのかを明らかにして欲しい。

回答(JESCO)
社内の組織表があるので、それを提示したい。

質問

作業をする前の作業確認ミーティングをやっているのか。気密試験をフランジが外れた状態で行われること自体、我々企業としては考えられない。

回答(TKS)
主として安全に関するミーティングをやっているが、液が漏れるということの危険予知がなされていなかった。反省している。

質問

今回の件を、JESCOの他の事業所へはどのように展開していくのか。

回答(JESCO)
全事業所に横の展開をするよう指示している。

意見・要望

  • 管理監督体制だけが働いていて、作業者は安全に対する意識に欠けているのではないか。人的マネジメントを含めて行い、作業者が事故をおこさないための提案を出せるように、またJESCOも提案を受け入れるような仕組みを作って欲しい。
  • 実際に作業される方の人間性を含めた教育が一番重要である。
  • 作業時にもし何か判断に迷うことがあったら、絶えず安全側に判断するということを徹底するということが一番のポイントである。
  • 作業責任者は、作業者と一緒に作業するのではなく、作業者が手順書どおり作業しているか、安全が守られているかをしっかり見守る体制とし、そのように手順書を作って欲しい。
  • 設計思想まで踏み込んだ教育をしていただきたい。
  • もっとヒヤリハット事例を抽出していただきたい。
  • 操業以来の事故やトラブル等を総括し、原因を深掘りして対策を取っていただきたい。
  • あってはならない初歩的なミスが続いており、プロ意識に欠けている。真摯に受け止めていただきたい。

等の意見が出されました。

議事録

委員会だより

配布資料

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