広報とよた2023年6月号 特集 今から始めたい、暑さへの備え
梅雨が始まる6月。「本格的な夏が来るのは梅雨が明けてから…。熱中症対策は梅雨明けからでいいでしょ」。
そう考える人は多いかもしれません。しかし近年は、梅雨明けを待たずとも急に気温が高くなることがあるため、今から暑さに備えておくことが重要です。
今回の特集では、熱中症を予防するポイントについて学びましょう。
熱中症とは
暑さで体温が上昇すると、汗をかいて、正常な体温を保とうとします。汗をかき、体内の水分や塩分が減っていくことで、脱水症状になることがあります。これが熱中症の始まりです。
さらに進行すると、体が熱くなったり、だるくなったり、めまいがしたり、ひどいときには、けいれんや意識の異常などが起きたり。これらの症状も熱中症です。
なぜ、今から熱中症対策が必要か
(1)梅雨明けを待たずとも急に気温が高くなる
(2)梅雨の時期は湿度が高い
- 体が暑さに慣れていなくて、体温調節がうまくいかない
- 熱中症になりやすいため、暑さに負けない体づくりなどの対策が必要
(1)梅雨明けを待たずとも急に気温が高くなる
昨年(令和4年)、熱中症による救急搬送者数が1番多かったのは、なんと6月でした
体がまだ暑さに慣れていない時期は、急な気温の上昇に体がついていけず、体温調節がうまくいかない可能性があります。
昨年は、梅雨の時期である6月25日に初めて猛暑日を記録。27日からは6日連続で猛暑日となりました。その間に熱中症による救急搬送者数も増えました。8月上旬も同じように気温が高かったですが、暑さに対する体の慣れや熱中症対策の意識の高まりもあり、6月末ほどの搬送者数にはなりませんでした。
つまり、6月のうちから暑さに負けない体づくりをすることが重要です。
猛暑日…最高気温が35℃以上の日
真夏日…最高気温が30℃以上の日
(2)梅雨の時期は湿度が高い
汗をかくと、蒸発するときに体の熱が逃げていきます。それにより体温が下がり、正常な体温になります。しかし、梅雨の時期は湿度が高いため汗が蒸発しにくく、体の中に熱がこもります。適切に体温調節ができる体を、今のうちからつくることが重要です。
暑さに負けない体をつくる
暑さに負けない体づくりのポイントを紹介します。早速、今から始めましょう。
こまめに水分を補給する
就寝や入浴の前後、午前午後のおやつ休憩などのタイミングで、コップ一杯程度の水分を補給しましょう。
エアコンの効いた部屋にいても要注意
エアコンを使用している部屋は空気が乾燥しやすく、気付かないうちに脱水状態になっていることがあります。汗をかいていないからと油断せず、こまめに水分を補給しましょう。
お酒を飲んだ後は充分に水分補給
アルコールは利尿作用が強く、飲酒量以上に水分を排せつします。飲酒後は、充分に水分を補給しましょう。
生活習慣を整える
バランスの良い食事や充分な睡眠をとるなど、体調管理に気を付けましょう。
体を暑さに慣らす
暑熱順化
「暑熱順化」について、詳しく紹介します。
暑熱順化
体が暑さに慣れることを、「暑熱順化」といいます。暑熱順化できていると、適切に汗をかいて熱を逃がすなど、体温調節がうまくいくため、熱中症を予防できます。
暑熱順化には数日から2週間程度かかります。(備考)個人差があります
暑熱順化のポイントは、汗をかくこと!
消防職員は、暑熱順化トレーニングを行っています!
消防職員は、夏季でも防火衣や感染防護服を着用しているため、熱中症のリスクを抱えて活動しています。かつて、夏季の現場活動で隊員が体調不良となる事例が発生したことを教訓に、消防本部では、熱中症のメカニズムを正しく理解し、段階を踏んだ暑熱順化トレーニングを行うようにしました。
トレーニングポイント
- あえて屋外や少し暑い部屋でトレーニングしています。
汗をかいて、体を暑さに慣れさせます - 職員個人の年齢や体力などに合わせて、メニューを決めています
『スポーツ医学などを専攻分野とし、温熱生理学に精通している中京大学の松本 孝朗教授を講師に迎え、熱中症に関する知識を深めました。また、中京大学の指導のもと、トレーニングメニューを作成しました。5月から6月にかけての約1か月間、1時間×週3回程度で実践しています。
「消防職員は強じんな体力がある」というイメージがあるかもしれませんが、私たちも「スクワット」「腕立て伏せ」といった一般的なトレーニングにより暑熱順化しています。
皆さんの日常生活においても、汗をかく行動が暑熱順化につながりますよ。』
(中消防署 鈴木 純一)
日常生活の中でできます、暑熱順化! 汗をかきましょう!
自分の体質や体調に合わせて活動しましょう
無理なく活動し、長く続けられるようにしましょう
ウオーキング、ジョギング
気温が落ち着く夜間に散歩する、帰宅路の一駅を歩くなどして、基礎代謝をあげましょう。
入浴、サウナ
夏は暑いからと毎日シャワーで済ませず、2日に1回は湯船に浸かって入浴で汗をかきましょう。サウナに通って汗をかくことも有効です。
注目!
高齢者、子どもは熱中症になりやすいので、特に注意してください。
高齢者
- 暑さを感じにくくなり、体温調節のはたらきが遅くなるため、体に熱がこもりやすくなります
気温や室内温度をこまめに確認し、暑い日には冷房を活用して室温を28℃前後に保つようにしましょう。 - 喉の渇きを感じにくくなります
喉が渇いているかどうかに関わらず、こまめに水分を補給しましょう。
子ども
- 地面に近いほど気温が高くなるため、大人よりも照り返しによる影響を強く受けます
- 思春期前までは体温調節機能が未発達で、熱が体内にこもりやすいです
吸汗の服や帽子を着用しましょう。保護者は、子の顔が赤く、ひどく汗をかいている場合は、涼しい環境で水分を補給させ、休息を与えましょう。
その他の大事な熱中症対策
本格的に暑さを感じるようになったら、以下のことを日常生活の中で実践しましょう。
暑さをしのぐ
室内を涼しくする
エアコンを上手に使ったり、すだれなどで直射日光を遮ったりしましょう。
服装を工夫する
吸汗、速乾、白色の衣類を選んだり、日傘や帽子を使用したりしましょう。
暑さに関する情報を知る
暑さに関する情報を知った上で、生活や運動などの行動を決めることが、熱中症の予防につながります。自宅や外出先などの気温や湿度などを確認する習慣をつけましょう。
また、以下の暑さに関する情報も参考としてください。
今日の豊田市の暑さ指数はどのくらい?!
暑さ指数(WBGT) 環境省
熱中症の危険度を判断するため、気温だけでなく、湿度や日差しなども考慮して「暑さ」を数値化したもの。地域ごとに算出。暑さ指数が「28」を超えると危険とされている。
愛知県にアラートが発令されていないか確認!
熱中症警戒アラート 気象庁、環境省
暑さ指数をもとに、熱中症の危険性が高くなると予測される日の前日や当日に、警戒を呼びかけるために県単位で発表される。熱中症の予防行動を積極的にとることが必要。
熱中症になったら
熱中症への対応の基本は、「脱衣」と「冷却」です。
涼しい環境へ避難する
移動が難しいときは、周りの人で日陰を作ってあげましょう。
できる限り脱衣する
できる限り脱衣しましょう。ベルトを緩めて風通しをよくしましょう。
風を当てる
水を体にかけてからうちわなどで風を当てることで、冷却効果が上がります。
体を冷やす
太い血管がある首、脇、太ももを冷たいもので冷やすと効率的に冷却できます。
水分、塩分を補給する
飲水できる状態であれば、スポーツドリンクなどを飲みましょう。
このようなときは、迷わず救急車を呼んでください!
意識がない、全身がけいれんしている、意味不明な言動をしている、皮膚が赤く乾燥している、自力で飲水できない。このような症状がみられた場合は重度の熱中症です。ただちに119番通報して救急車を要請してください。救急車を待っている間は、脱衣と冷却を行っていてください。
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このページに関するお問合せ
保健部 健康政策課
業務内容:健康づくりに関する施策立案、健(検)診(成人向け)、歯科保健、医事・薬事に関すること
〒471-8501
愛知県豊田市西町3-60 愛知県豊田市役所東庁舎4階(とよたiマップの地図を表示 外部リンク)
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消防本部 警防救急課
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〒471-0879
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