広報とよた2024年1月号 新春特集 ともに育てる 夢の種。

ページ番号1057256  更新日 2024年1月1日 印刷

行動制限のあったコロナ禍を経て活動の機会が増えたことで、子どもたちは、より幅広い分野でやりたいことや好きなことを見つけられるようになりました。子どもたちは、様々な分野で活躍する大人の姿を見て夢を持ち、夢の実現を希望として成長していく。そしてその姿に人々が感動し刺激を受ける。こうして、活気にあふれていきます。
子どもたちの心の中にある夢の種。希望あるミライで花開くことを信じて、ともに育てていきませんか。

特集1 対談 陸上選手/わがまちアスリート 福永凌太さん×豊田市長 太田稔彦

陸上選手/わがまちアスリート福永凌太さん 豊田市長 太田稔彦


福永 凌太(ふくなが りょうた)さん
福永 凌太さん

1998(平成10)年9月28日生まれ。滋賀県出身。滋賀県立彦根翔陽高校から中京大学に進学し、現在も所属。小学校高学年から陸上を始め、中京大学4年生の頃にパラ陸上に転向。パリ2023世界パラ陸上競技選手権大会で、男子400メートル優勝と男子走り幅跳び準優勝を、いずれもアジア新記録で成し遂げる。今夏のパリ2024パラリンピックでのメダル獲得が期待される。豊田市わがまちアスリート(注釈)。

(注釈)豊田市ゆかりの有力アスリートを市民一体となって応援するため、市で認定している


ステージが変わっても、目指すのは世界一

市長 パリ2023世界パラ陸上競技選手権大会でのメダル獲得おめでとうございます。パラ陸上に転向したのは中京大学4年生の頃だそうですね。
福永 ありがとうございます。転向のきっかけは母の一言でした。大学4年の夏に帰省したとき、家族との日常会話の中で「競技から離れないといけない。一般企業への就職活動をしている」と話しました。すると母が「パラ陸上に挑戦してみるのはどう」と言ってくれたんです。
市長 なぜ競技から離れないといけないと思ったのですか。
福永 夢を実現させる難しさを感じていたからです。私は、小学生の頃に陸上を始めました。視力の問題はあったものの不自由には感じず、みんなと同じように練習していました。中学、高校では棒高跳び、大学では陸上競技全般が好きだったこともあり十種競技に挑戦しました。オリンピックや世界大会で活躍する選手になりたい、なれるはずだと強く思い、毎日全体練習や自主練習に励んでいました。しかし大学生の頃、得意の棒高跳びが突如跳べなくなる精神状態に陥ったり、記録が伸び悩み少しずつ自分の立ち位置の理想とのギャップを感じたりと苦しい時間を過ごしました。それで競技から離れようと考えました。しかし、母にパラ陸上を勧められ初めてパラ陸上について自分で調べると、また挑戦しようという気持ちがわいてきました。
市長 そうだったんですね。困難を乗り越える原動力は何でしたか。
福永 大学の4年間はチームのメンバーが支えてくれました。また、うまくいかないときでも、日本代表としてオリンピックに出たいという思いが自分の支えになっていたと思います。パラ陸上に転向してからは、夏のパリ2024パラリンピックに出場し、世界一になること、世界記録を更新することが私の夢になっています。

「好きこそものの上手なれ」。好きでいることが夢の実現の近道

市長 夢の実現のために努力を継続するって簡単ではないですよね。
福永 そうですね。大学卒業後は引き続き中京大学でコーチとして多くの学生を見てきました。大学に入ってくるときは何かになってやろうとか志があると思うんですけど、それを徐々に忘れていってしまうかなと。そのときの思いをずっと持ち続けるのは難しいですが大事なことじゃないかなって。私は、夢を紙に書いて壁に貼っています。
市長 「初心忘るべからず」と言いますよね。福永選手と同じように、困難なことに立ち向かいながら、夢の実現のために努力している子どもたちが豊田市にはたくさんいます。何かアドバイスはありますか。
福永 私は、パラ陸上に転向したことで結果を出せています。誰しも自分が輝ける場所があるのではないでしょうか。だからこそ、小さな頃から様々なものに興味をもって食わず嫌いをせずに挑戦し、自分が輝ける場所を見つけてもらいたいです。また、好きなことを見つけられたらうまくいくのではないかと思います。「好きこそものの上手なれ」。好きなことだからしっかり継続できて結果もついてくるのではないかと。
市長 好きなことを見つけて、こだわっていくということですね。
福永 はい。例えば、結果を出している人を見て「才能がある」とか言いますが、それは多分、才能ではなくて技術があるわけで。私は好きになれることが才能だと思っています。好きなことであれば、負けたら悔しくてもっと練習するし、もっとうまくなりたいという思いが強くなると思うんです。だからこそ、皆さんに好きなことを見つけてほしいです。
市長 上手か下手かで他人と比較するのではなく、自分がそれをすることが好きかどうか。好きな気持ちが強ければ、いずれ結果がついてくるということですね。豊田市では、子どもたちに「好き」を見つけてもらおうと、昨年9月に「とよたスポーツフェスティバル」を初開催し、豊田市ゆかりのトップアスリート10種目34人をお招きしました。福永選手にもお越しいただきましたね。競技体験会やトークショーで盛り上がりました。今後もアスリートの皆さんとともに、またスポーツ以外の分野でも、子どもたちの「好き」を増やせるよう取り組んでいきます。
福永 そのフェスティバルには親子連れなどとても多くの人が参加していて、豊田市はすごいまちだと思いました。子どもたちがスポーツに触れる場としてとても良かったですね。私も、子どもたちに陸上に興味を持ってもらえるよう、世界一の選手になるための努力を続けます。
市長 ありがとうございます。今後のご活躍を期待しています。

中京大学での福永選手、市長の対談の様子

壁に貼られた福永さんの夢


競技中の福永さん01

競技中の福永さん02

特集2 このまちで広げる子どもたちの可能性。

豊田市では、これまでも様々な分野で市民が活躍してきました。
子どもたちはその姿にふれることで、興味のあることを見つけ、可能性を広げていくことができます。
そして、自分の新たな夢の実現に向けて進んでいくのです。
本特集では、このまちでこそ行われている、子どもたちが大人とともに可能性を広げていけるような取組の数々をご紹介します。

昨年12月、小学生や中学生がグローブを片手にわくわくして到着を待っていたのは、同年に都市対抗野球大会で優勝したトヨタ自動車硬式野球部の選手たち。その日は地域スポーツクラブが主催する野球教室が行われ、子どもたちは選手たちと交流し野球の楽しさを教わりました(広報1月号表紙写真)。グローブのさばき方や、苦手なコースのボールの打ち方などを選手に聞いた子どもたちは、選手が直接教えてくれたことを嬉しそうに話していました。一方、選手も、自分たちが教わってきたことを子どもたちに伝えることに喜びを感じていました。
豊田市には、様々な競技で活躍している市ゆかりのアスリートがたくさんいます。また、広い市域の中で競技施設・環境が充実しています。そういった強みがある豊田市では、第一線で活躍する人と一緒に競技を楽しむ機会が多くあります。憧れのアスリートから直接教わることで、子どもたちは競技の魅力を肌で感じ、「好き」を見つける、「好き」を深めるきっかけとなっています。そしてこれが夢を持つ、夢の実現を希望し続けることにつながっているのです。
一方、夢を見つける時機はそれぞれです。途中で夢を変えようか迷うときもあります。夢を見つけることや持ち続けることが難しいと感じている子どもに対しては、その声に耳を傾け、背中を押したり新たな視点で選択肢を増やせるよう一緒に考えたりして、子どもたちの可能性を広げることが重要です。

タグラグビーの体験会

タグラグビーの体験会
トヨタヴェルブリッツの選手から、競技の魅力を教えてもらえる


とよたスポーツフェスティバル

とよたスポーツフェスティバル
豊田市にゆかりのある様々な競技のトップアスリートによるスポーツ教室やトークショーに参加できる


羽根田卓也選手によるカヌー体験会

羽根田卓也選手によるカヌー体験会
リオデジャネイロオリンピック競技大会で銅メダルを獲得した羽根田卓也選手と一緒にカヌーを楽しめる


ものづくりのまち。歴史・文化、自然のあるまち。あらゆる強みをもつ豊田市には、スポーツの他にも様々な分野で子どもたちが「好き」を見つける、「好き」を深めるきっかけが得られる場があります。
昨年11月に中学校で開催された「JFAこころのプロジェクトMIRAIへつなぐ「夢の教室」」では、WE LOVE とよたスペシャルサポーターでアニメーションプロデューサーの諏訪道彦さんが登壇しました。学生の頃に好きだった漫画やラジオをきっかけに現在の仕事に就いたという自身の話を引き合いに、「自分の好きなものを理解し、知識を深めていくことで夢の実現が近づく」と語りました。話を聞いた生徒は「好きなものを見極め、夢を見つけたい」と話していました。
この「夢の教室」のように、豊田市では子どもたちのための学びや体験の機会を用意しています。他にも、公共施設使用料の無料化や、各種芸術公演の無料招待も行っています。
子どもたちの心の中にある夢の種を、ともに育てていきましょう。

とよたこども創造劇場

とよたこども創造劇場
小学4~中学3年生が、プロの指導者のもと、仲間とともに作品をつくりあげ、演劇の世界を体験できる


JFAこころのプロジェクトMIRAIへつなぐ「夢の教室」

JFAこころのプロジェクトMIRAIへつなぐ「夢の教室」
小学5年生と中学2年生が、スポーツや文化芸術の分野で活躍する人から夢を持ち努力する大切さを学べる


クルマづくり究めるプロジェクト

クルマづくり究めるプロジェクト
小学5年~高校生が、自動車関連企業のプロから直接クルマづくりに関連する技を学び、実践の機会を得られる


森林出前講座

森林出前講座
面積の約7割が森林である豊田市において、現地で森のしくみや、森林と川の関係性などに関する学習ができる


空飛ぶクルマ体験

空飛ぶクルマ体験
各種イベントでの「空飛ぶクルマVR体験」などを通して、次世代の航空モビリティについて知ることができる


藤嶋塾

藤嶋塾
光触媒反応を発見した藤嶋昭東京理科大学栄誉教授から自身の豊かな経験や発想を学べる

あの人の言葉

豊田市名誉市民 東京理科大学栄誉教授 藤嶋 昭さん

身のまわりにある自然には、不思議なこと、おもしろいことがあふれていますからね。いかに関心を持つかが大事です。牧野富太郎という有名な植物学者が「雑草という草はない」という言葉を残しています。雑草という草はなくて、どんな小さな植物にも名前があるんですよ。草花の名前を覚えただけで、普段何気なく通る道も景色が違って見えるでしょう。関心を持つことが、自分の視野を広げる第一歩だと思います。

(豊田市制70周年記念誌 対談 藤嶋昭×豊田市長 から抜粋)

トピックス ものづくりの世界で、活躍しています

豊田少年少女発明クラブの会員2人が、昨年の「全国少年少女チャレンジ創造コンテスト」でクラブで初めて優勝しました。からくり仕掛けの技術と観客を楽しませるパフォーマンスの融合で、高い創造力を発揮しました。

  • 昔からずっとものづくりが好きです。コンテストの作品作りでも、仲間や指導員と課題を解決しながら楽しく進められました。優勝できて嬉しかったです。将来は、アイデアを出す、プログラミングをするなど、ここで見つけた好きなことをしたいです。(クラブ会員 勝木 花香さん、髙橋 紅葉さん)
  • コンテストに向けて数か月間、作品作りに没頭する子どもたちに寄り添いました。本当に熱心に取り組んでいて、ものづくりが好きなんだと感じられました。好きなことに一生懸命力を出して取り組んだこの経験を自信にして、様々なことに挑戦してほしいです。(指導員 加藤 鉱一さん)

豊田少年少女発明クラブ
現在、クラブ会員は小学1~中学3年生約970人。指導員から紙や木、電気などを使ったものづくりの技術を教わっている。

ご意見をお聞かせください

質問:このページの内容はわかりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問合せ

市長公室 市政発信課
業務内容:広報とよた、報道対応、CATV市政番組、ラジオ市政番組、市政記録映像、市ホームページ管理運営などに関すること
〒471-8501 
愛知県豊田市西町3-60 愛知県豊田市役所南庁舎4階(とよたiマップの地図を表示 外部リンク)新しいウィンドウで開きます
電話番号:0565-34-6604 ファクス番号:0565-34-1528
お問合せは専用フォームをご利用ください。