広報とよた2023年2月号 特集 いざという時の、地域を守る力。

ページ番号1052831  更新日 2023年2月1日 印刷

約70年前の消防団メンバー
約70年前(挙母市)の消防団

空気が乾燥するこの季節に気を付けたい火災。また、地震や洪水などの自然災害も、いつ起こるか分かりません。自分の住む地域で災害が起こったとき、我が身を守ることはもちろん、地域の人々や財産が守られることもまた、重要なことです。
地域には、いざという時に身近な人や地域を助けられるよう、日々活動をしている人たちがいます。彼・彼女たちの活動や思いを通して、地域の安全について考えてみましょう。

その時 あなたのまちで何が起こるか

例えば、大きな地震が起きたとき、あなたの住むまちは、どのような事態に直面するでしょうか。

大地震発生に迫られる対応について

地域を守るには、非常に多くの、きめ細かな対応が必要になります。消防署や警察、行政などの公助の力だけで、 これらすべてを行うことはできません…。

いざという時に、求められる地域の力「地域で活躍する防災組織」

どこにどんな人が住んでいるか、危険な場所はどこかなど、域内の事情に詳しい地域住民だからこそ、きめ細かく対応できることが数多くあります。市内では地域住民を構成員とする様々な防災組織が協力・連携して活動しています。なかでも特に、地域防災の中心的役割を担うのが「消防団」と「自主防災会」。次のページからはそれぞれの活動について紹介します。

消防団とは

消防団の訓練の様子

消防団は、消防組織法に基づき市内全域に設置される消防機関です。豊田市の消防団は、市内全域において主に中学校区ごとに分団が組織され活動しています。またそのほかにも、広報活動や災害支援活動を専門的に行う隊などがあります。常勤の消防士のいる消防署が「常備消防」と呼ばれるのに対し、消防団は「非常備消防」と呼ばれます。それは消防団員が、普段は仕事や学業、家事をしながら、消防・防災活動を行っているためです。市内全域において人員を必要とする消防団ですが、少子高齢化などの影響により団員数の減少傾向が近年続いています。

非常時に備える 日々の活動

防火指導の様子

火災消火のための基本的な器具操作や動きの習得を目指し、主に小型動力ポンプを使用した消火訓練を行っています。訓練のほかにも、負傷者への応急手当の習得や、資機材の点検なども行っています。また、自治区・学校への防火指導や、夜警(夜間に地域を見回り火災予防を呼びかけること)を行うなど地域の総合的な防災力の向上にも取り組んでいます。

消防団員の処遇改善の取組

令和4年4月に出勤報酬額を改定しました。

  • 金額の改定
    災害対応時の報酬…上限金額を撤廃し、活動時間に 応じた金額を支給
  • 新設
    訓練などへの参加時の報酬…合同訓練、消防団行事への参加 1回あたり3,000円を支給

(備考)その他にも、準中型自動車運転免許の取得にかかる費用補助などがあります

いざという時 期待されるその役割

行方不明者の捜索や救助活動

消防団は、火災時において消火活動だけでなく、消防署の後方支援や避難誘導なども行います。また火災だけでなく、その他の災害時においても、行方不明者の捜索や救助活動などを行います。災害が各地で発生した際、こうした幅広い活動は、消防署だけではできません。特に、今後発生するといわれている「南海トラフ地震」などの大規模災害時には、消防団の力が必要不可欠といえます。「自らの地域は自ら守る」という熱い思いの消防団員がいるからこそ、地域の安全が守られているのです。

自主防災会とは

行方不明者の捜索や救助活動

自主防災会は、主に自治区ごとで自主的に結成・運営される組織です。地域で起こりうる災害に対し防災活動を行っています。地域住民に及ぶ危険を事前に把握・低減するための役割や、災害時における、地域住民どうしの助け合いを先導する役割を担います。
豊田市では、昭和51年に最初の自主防災会が誕生し、現在約300の自主防災会が結成されています。

多岐にわたる 自主防災活動

自主防災訓練の様子
避難所運営の訓練

災害時には、初期消火、避難誘導、避難所運営などを率先して行うことが期待される自主防災会。いざという時のために平常時から、地域住民を対象とした自主防災訓練の開催、防災知識の普及・啓発、災害危険箇所の把握、資機材の備蓄などを行っています。また、自主防災会の代表者などは「自主防災リーダー養成講座」での知識習得や、定期総会・事例発表会での情報共有にも努めています。災害の発生リスクや危険箇所、注意すべき事柄などは地域によって様々。地域住民による自主防災会だからこそ、地域の実情や課題に沿ったきめ細かな防災活動ができています。

被災体験を語り継ぐ「昭和47年7月豪雨災害 (通称:47災害)」

昭和47年7月豪雨災害時の豊田市の様子

昭和47年7月12日の夜中から13日の未明にかけて、激しい豪雨が市内を襲いました。小原・藤岡地区を中心に、広範囲で山崩れ、がけ崩れ、河川の氾濫などが発生し、死者行方不明者が67人に及ぶほどの甚大な人的被害、建物被害がありました。突如発生し、たった一夜にして多くの命や財産を奪ったこの災害。私たちは、地域における災害リスクを皆で共有することの大切さや、いざという時にどう行動するかを普段から考えておくことの重要性など多くの教訓を得たはずです。しかし、時の流れの中で被災体験者が少なくなり、豪雨災害を知らない人が多くなってきています。同じような災害が起こっても被害を最小限に留められるように、被災の体験や教訓を次世代へ語り継ぐことも大事なことです。


2月4日(土曜日)午前10時~午後4時に開催する「とよた防災フェスタ」(スカイホール豊田)では、当時の記録を振り返るパネルや防災関連車両などの展示を行います。

まちを守る、その思い。「私が活動する理由。」

私にできる、一人ひとりに寄り添った対応を

3年ほど前、同じ職場の先輩に誘われたのが入団のきっかけでした。一緒に地域のために活躍してみないかと。消防団は男性的なイメージが強く、正直迷いましたが、地域づくりに参加できることに魅力を感じ、「女性でもできる」とのことだったので入団してみることに。最初に目にしたのは、中学校時代の先輩がとても真剣な表情で訓練をする姿でした。地域のためにこんなに頑張っている人たちがいるんだと感動しました。力仕事もありますが、避難時など女性が活躍できる部分もあります。人との関わりを大事にして、一人ひとりに寄り添った対応のできる団員になりたいです。
「消防団(高岡地区)生田 友理さん 職業:社会福祉士(育児休業中)」

地元で生きる者の責任として

私が住む足助のまちには、古くからのお祭りがあるのですが、「お祭りをやる=消防団に入る」がセットになっています。だから消防団に入るのは自然なことでした。特に自分は、地域と密接につながりのある生花店の長男なので、地域との関わりは当然すべてやっていくものだと。そして家族ができ、その考えはより強くなりました。地元の小学校では、地域の防災学習に積極的で、子どもたちは調べた成果を親たちに発表するのですが、その純粋で真剣な表情や思いに触れると、自分も頑張らねばと思うのです。消防団でなくてはできないことがたくさんあります。今後も、地域の人たちと連携して活動していきたいです。
「消防団(足助地区)増田 大介さん 職業:自営業(生花店)」

東日本大震災の教訓を伝えたい

東日本大震災が起きた当時、私は仙台市で働いていました。被災地での生活はとても大変でした。定年を迎え、豊田市に戻ってきて強く感じたのが、周囲の災害への意識の低さ。「避難所に行けば何とかなる」と思っている人が多く、このままでは危険だと思い、区長就任後の4年間、全力で防災活動に取り組みました。自作の防災チラシを毎月330世帯へ回覧したり、地元の小学校で自分の体験談を話したり。また、複数の地区で合同の防災訓練を行うようになりました。少し面倒でも、防災活動は「今」始めるべきです。自らの身は自らの力で守る。その必要性を、私は自分の体験から伝えていきたいです。
「五ケ丘第1自主防災会 会長 白井 安良さん」

いざというとき、すぐに助け合えるように

私が住んでいる下山は、土砂災害の危険性が高い地域です。自主防災会では、各家庭で避難経路の確認を行っています。災害が起きた時に必ずしもスムーズに避難所へ逃げられるわけではありません。災害時に「情報」を伝え合える環境づくりが必要と考え、若い世代と協力しながら、自主防災会オリジナルの防災アプリをつくりました。このアプリは携帯電話の位置情報と連携して現在地、災害区域、避難所情報を確認することができます。豪雨、地震、大雪への対策など、地域の防災活動としてやらなければいけないことは山積みです。それでも一つ一つ積み上げていくことで地域の防災力が高まっていくと、私は信じています。
「下山自主防災会 会長 伊藤 宏さん」

自主防災会に関する問合せ

防災対策課(電話番号:0565-34-6750、ファクス番号:0565-34-6048、Eメール:bousai@city.toyota.aichi.jp)

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