広報とよた2022年11月号 特集 知っていますか?ごみの行く先。

ページ番号1051692  更新日 2022年10月28日 印刷

家庭から出されたごみや資源が、その後どんな場所に行って、どんな姿になるのか。考えてみたことはありますか?この特集では、知っているようで知らない、ごみや資源のその後の処理工程や、いつもは捨てるごみの生かし方についてご紹介します。

まずは基本。

Q そもそもどうして、ごみを分別する必要があるのでしょうか?
A それは、分別によってごみを減らすことが、
(1)地球温暖化対策、(2)埋立処分場の延命、(3)ごみ処理コストの削減につながるためです。

(1)地球温暖化対策
私たちが消費するあらゆる物の製造時や運搬時、ごみの焼却過程でCO2(二酸化炭素)が排出されます。そしてこのCO2は地球温暖化の原因になります。「要らないものは手にしない」を徹底し、ごみになるものを減らすことは、CO2排出量の削減につながり、地球温暖化対策に貢献します。

(2)埋立処分場の延命
豊田市では1日に、12トンものごみが埋立処分場に埋められています。不燃ごみだけでなく、燃やすごみの焼却灰も埋められます。市は、埋立処分場を33年後までは安定して使用できる予定として計画的に運用していますが、家庭ごみを減らすことで、埋立処分場をさらに長く使用することができます。

(3)ごみ処理コストの削減
ごみを処理するのに、豊田市では1日あたりおよそ1,500万円もの費用がかかっています。これだけ高いのはやはり、処理するごみの量が多いから。ごみを少なくすれば、処理にかかる費用を抑えることができます。

ごみの分別 これまでと現在

ごみの分別はいつから始まり、ごみの量はどのように変化しているのか。これまでと現在の状況をみてみましょう。

ごみの分別への流れ

大量消費社会から循環型社会への転換

国・市の主な流れ 1991年 国 「資源の有効な利用の促進に関する法律」施行、1997年 市 リサイクルステーションを市内2か所に初めて設置2000年 国 「循環型社会形成推進基本法」施行、2007年 市  環境学習施設「エコット」が開館、プラスチック製容器包装資源化施設ができ、プラスチック製容器包装の分別収集開始、2020年 国 レジ袋(プラスチック製買物袋)有料化、2022年 国 「プラスチック資源循環促進法」施行

今となっては当たり前となっているごみの分別やリサイクル。しかし日本社会が環境のためごみ問題に取り組み始めたのは、それほど昔ではありません。戦後、1945年(昭和20年)から1990年代にかけて、日本は戦後復興から高度成長期、バブル期を経験しました。その間、物の消費が増加し続けるとともに、廃棄物などによる環境破壊や公害が社会問題になりました。そのため急ピッチでごみ処理に関する法整備がされ、2000年代前半にかけてリサイクルの仕組みづくりが進められました。豊田市では、1997年(平成9年)に市内初となるリサイクルステーションがトヨタ生協メグリア本店とやまのぶ若林店にできました。2007年(平成19年)には「プラスチック製容器包装資源化施設」ができ、「燃やすごみ」「金属ごみ」「埋めるごみ」「プラスチック製容器包装」の分別収集が始まりました。図1のグラフからも分かるように、皆さんがごみの分別に取り組み始めた2007年(平成19年)前後から、全体としてごみの排出量は減ってきています。

しかし、図2を見ると、近年の燃やすごみの排出量は増加傾向にあります。2020年(令和2年)に実施した、ごみ分別実態調査によると、燃やすごみの中には資源にできる紙類やプラスチック製容器包装、ペットボトル、飲料缶などが約30%含まれていることが分かっています。どうやらまだ、分別により燃やすごみの量を減らすことはできそうです。これまでの取組を引き継ぎながら、さらなる削減に向けて、改めてごみの出し方を考えてみませんか。


図1 豊田市の家庭系ごみの排出量の推移

図2 近年の燃やすごみの排出量の推移

燃やすごみの袋の中に入っていたごみの内訳の円グラフ(令和2年度組成分析結果)30%が資源にできるものはプラスチック製容器包装、ペットボトル、飲料缶など15%・資源にできる紙類15%。そのほか、燃やすごみ(生ごみ)32%、燃やすごみ(生ごみ以外)37%、金属ごみ、埋めるごみ1%

ごみ・資源の行く先

ごみステーションや資源ステーションで収集される主なごみ・資源について、処理の流れを見てみましょう。分別時に気を付けたいポイントが分かってきます。

燃やすごみ

焼却施設では、ごみを熱分解し、分解された灰を高熱で溶かすことで、建設資材などで利用できる物質(スラグ)を生成します。燃やすごみの中に混入していた、鉄とアルミはリサイクル工場に、不適物は埋立処分場に運ばれます。また、焼却時に発生する熱エネルギーは、公共施設で電気や温水として利用されます。

焼却施設(渡刈クリーンセンターの例)

プラスチック製容器包装

資源化施設で収集されたものを手作業で選別し、汚れの付いた物や不適物を除去します。圧縮梱包された後、リサイクル工場へ運ばれ、着色ボトルや塩ビボトルを除去した上で、細かく粉砕したペレットや燃料に変わります。その後、ペレットはプランターなどのプラスチック製品に変わり、燃料は製鉄所などの動力に使われます。
(備考)汚れが落ちないプラスチックは商品価値が低いため、再利用できません。(燃やすごみです)

プラスチック製容器包装施設

金属ごみ

まず手作業により、金属ごみを金属部分とプラスチック部分などに分別します。金属部分は鉄やアルミ、銅などに選別し、細かく粉砕して再資源化商品(再生ペレット)を生成します。これらはその後、金属や原料の再生工場に運ばれ、金属製品の材料として再利用されます。プラスチックなどの不適物は焼却施設に運ばれます。

金属ごみ処理施設(グリーン・クリーンふじの丘の例)

ガラスびん・飲料缶・ペットボトル

資源として、それぞれ同じものに生まれ変わったり、全く別のものに生まれ変わったりします。(例…ガラスびん⇒断熱材・路盤材、飲料缶⇒建築資材、ペットボトル⇒衣類・プラスチック製品)
(備考)飲料缶は板状に潰れていると選別がしにくいため、潰す必要はありません。

選別工場

豆知識

家庭でできるひと工夫(1)捨てる前の水切り

生ごみの約8割が水分だと言われています。燃やすごみの燃焼効率を高めるには、各家庭の生ごみの水分量を少しでも減らすことが重要です。「ごみ箱に入れる前に生ごみをひと絞りして水を切る」「野菜を洗う前に不要部分は切り取る」「生ごみを新聞紙に包んで1日置き、乾燥させてから捨てる」といった工夫が効果的です。

家庭でできるひと工夫(2)汚れの落とし方

プラスチック製容器包装など、資源としてリサイクルできるものは予め汚れを落とす必要があります。例えばチューブの容器であれば、水を入れてしばらく放置した後、キャップをしたまま振って水を出すと奇麗になります。魚や肉などのトレー容器は、食品が付いていた部分を台ふきんやぼろ布で拭き取ると、臭いもなく奇麗になります。

新しいリサイクルの取組 ペットボトルの水平リサイクル

現在、ペットボトルのリサイクルは、別の製品の原料にするカスケードリサイクルが主流ですが、この場合、最終的には焼却されてしまいます。一方で、水平リサイクルは使用済みペットボトルから新しいペットボトルをつくるというもの。新たな石油を使うことなく資源が循環します。市は民間企業との協定により、今年度から分別収集したペットボトルの水平リサイクルに取り組んでいます。

施設に直接搬入するごみ処理手数料と粗大ごみ手数料を改定します

ごみ処理手数料は、受益者負担の考え方を基本とし、処理原価(ごみ処理に係る費用)の状況に応じて適宜見直されるべきものですが、手数料の大半が据え置かれたままになっています。その結果、現在の手数料と処理原価に大きな差が生じています。また、他市よりも安価であることで懸念される市外からのごみの搬入を抑制するため、ごみ処理手数料を来年4月1日から改定します。
(備考)ごみステーションに出すごみは対象ではありません。

ごみの種類 搬入先施設 現在の手数料(注釈1) 改定手数料
燃やすごみ 渡刈クリーンセンター・藤岡プラント 60円/10キログラム 10キログラムまで200円。
以後10キログラムごとに200円加算
金属ごみ・埋めるごみ グリーン・クリーンふじの丘 30円/10キログラム
刈草・せん定枝 緑のリサイクルセンター 50円/10キログラム
粗大ごみ (電話申込み、戸別回収) 300円、600円、900円/個(注釈2) 現在の手数料+300円

(注釈1)現在の手数料は市民が利用する場合の金額。事業者の現在の手数料は、燃やすごみは100円/10キログラム、刈草・せん定枝は90円/10キログラム
(注釈2)粗大ごみの手数料は大きさや重さなどにより異なります 

捨てるごみの生かし方

エコットが紹介する“もったいない”のアイデア

日常生活の中で、ごみを資源として再利用する選択肢もあります。今年で開館15周年を迎えた環境学習施設エコットから、自分で取り組むことのできる「もったいない」のアイデアをご紹介します。

1 ダンボールコンポストで手軽に始める、小さな循環

微生物の力を利用して生ごみを堆肥にすることができるコンポスト。ダンボールコンポストは1箱で最大50キログラムの生ごみを堆肥にすることができます(所要期間:約4か月)。畑がなくてもベランダなどで実施できるため、初めての人でも手軽に始められます。生ごみを自宅で処理することで、燃やすごみに出すごみの量は大幅に減り、捨てる前の生ごみの臭いに悩まされることもありません(コンポストから生ごみ臭はほとんど出ません)。自分で作った堆肥で野菜やハーブなどの食材を育てて、家庭の中で小さな循環を始めてみませんか。

2 食材を無駄なく使い切る調理を楽しむ

野菜を調理するとき、「皮や葉っぱは捨てる」という人は多いと思います。しかし、できるだけ余すことなく調理に使うことで生ごみの量は減ります。
例えば、ビーツという食材。色鮮やかな赤い根菜で、ボルシチに使われることで有名です。ビーツの葉はサラダなどで生で食べることができ、茎も細かく刻んでスープの具材にすることができます。他にも、大根やニンジンの葉、煎茶の茶がらなど、実は使えるものはたくさんあります。
エコットで開催しているクッキング講座に参加して、無駄のない調理を楽しんでみませんか。

3 リメイクで、より愛着のあるものに

使わなくなった服や布切れを使って、バッグやアクセサリーを作れば世界に1つだけのものになり、さらに愛着を持って長く使うことができます。

エコットのボランティアインタープリターより

「もったいない」とは物へのこだわりであり、物を大切にすること。その精神は人の心を豊かにするはずです。今あるものをどう生かすか。エコットで、私たちと一緒に考えてみませんか。(長嶋 一枝さん)

問合せ

エコット(電話番号:0565-26-8058、ファクス番号:0565-26-8068、Eメール:eco-t@eco-toyota.com)

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