広報とよた2022年8月号 特集 ありがとう、資料館。

ページ番号1050394  更新日 2022年8月1日 印刷

市の歴史を今に伝える、「豊田市郷土資料館」と「近代の産業とくらし発見館」。令和6年(2024年)秋に全面開館を予定する、新しい博物館に機能を統合するため、両館は今年度でその役目を終えます。(市郷土資料館は9月30日(金曜日)、発見館は2023年3月31日(金曜日)の営業をもって閉館)
これまでに、様々な展覧会や体験会を開催し、多くの人が訪れた両館。今号の特集では、両館の軌跡を振り返りながら、今後の展覧会や新しい博物館の準備状況などをお伝えします。

豊田市郷土資料館

1967年1月 開館→2022年9月 閉館

豊田市郷土資料館 外観

敷地内には、本館、古民家(民俗資料館)、古墳、屋外カマド、土蔵があり、本館の展示室では県内最大級の「手呂の銅鐸」や、装飾須恵器などを展示しています。最終日の9月30日(金曜日)は午後8時まで開館します。


利用時間/午前9時~午後5時
(備考)祝日を除く月曜日は休館
〒471-0079 陣中町1-21-2 
交通アクセス/
電車:名鉄梅坪駅から徒歩10分、豊田市駅から徒歩15分
バス:おいでんバス「陣中町一丁目」下車徒歩5分
駐車場/有り
電話番号:0565-32-6561 ファクス番号:0565-34-0095

昭和42年(1967年)

開館のきっかけは、発掘調査で見つかった大変貴重な須恵器
1960年代、世の中は高度経済成長期。暮らしが豊かになる一方で、大規模開発による遺跡の破壊が次々と起こっていました。遺跡を保護するため、全国各地で発掘調査が行われるなか、市内でも昭和38年(1963年)に豊田大塚古墳が調査され、見事な須恵器(国の重要文化財)が出土しました。当時は、地元に保管施設がなければ国に帰属するのが常でした。しかし豊田市は、市民の郷土愛・誇りの醸成のためには、この貴重な須恵器などの地域の宝を、地元で守ることが大切であると考え、昭和42年(1967年)に豊田市郷土資料館を開館しました。

平成2年(1990年)

大盛況だった「牧野義雄展」
市制40周年を記念して催された「日本文化デザイン会議′90豊田」の一環として、当時名鉄豊田市駅前にあった「そごう」で開催しました。郷土の偉大な画家の作品を見ようと1万2,000人以上の人が来場しました。

平成4年(1992年)

市郷土資料館に長蛇の列「長興寺所蔵文化財 修復完了記念特別展」
修復が完了した長興寺所蔵の文化財を一堂に公開。教科書でもおなじみの織田信長像の公開日には、市郷土資料館の外まで行列ができました。

平成18年(2006年)

「新・豊田の文化財展」
豊田加茂7市町村の合併により、市の指定文化財が旧町村分を合わせて約3倍に増えたことを契機に開催しました。

平成20年(2008年)

郷土学習スクールサポートを開始
資料館・遺跡の案内や学校への出前授業などによる小・中学校の郷土学習のサポートを開始しました。

平成29年(2017年)

市郷土資料館開館50周年に開催 「ぼくらの“1967” -50年前のとよた・日本・世界-」
平成27年(2015年)に始動した「とよた歴史マイスター」が企画段階から参加し、新しい博物館での展示を念頭に、初めて市民と共働して展示製作を行いました。

令和4年9月(2022年9月)

最後の企画展 「さよならの向こうへ ~ポスターでプレイバック!資料館の55年~」
過去に開催した展覧会のポスターを壁一面に展示し、55年間の歴史を振り返ります。また、期間中、資料館発刊図書(一部)の割引販売を行います。
期間/9月1日(木曜日)~30日(金曜日)

私のイチ押し 所蔵品

資料館で所蔵する資料から、学芸員イチ押しの一品を紹介します。
 

黒茶碗

渡邉規綱(又日庵)自作 黒茶碗 彫銘兵庫造
江戸時代後期の寺部領主・又日庵自作の黒茶碗。朱の発色・ヘラ使い・手取りなど魅力満載の一碗です。(学芸員K)


トヨタ・カローラ

トヨタ・カローラ
1人の所有者が53年間乗り続けた初代カローラ。家族の記憶を刻みながら、地球を約14周分走りました。(学芸員T)

専門監のはなし

ようこそ、新しい博物館へ

生涯活躍部 文化財担当専門監 森 泰通(もり やすみち)

高校日本史の教科書に登場する豊田市のモノ・コトは、豊田大塚古墳の須恵器、長興寺の織田信長像、社会に衝撃を与えた加茂一揆、そしてトヨタ自動車の4つです。周辺自治体の中でいち早く開館した郷土資料館や発見館は、こうした有名な歴史だけでなく、様々な魅力や宝の原石を掘り起こし、本市の歴史を豊かにしてきました。令和6年には、いよいよ新しい博物館が全面開館します。活動領域は豊田市を中心に、日本・世界・宇宙、そして現在・未来にも広がっていきます。市民の皆さんと「みんなでつくりつづける」新博物館は、まちに息づく自然や歴史を受け継ぎながら、このまちの底力を育み、人と未来をつくっていきます。

近代の産業とくらし発見館

2005年11月 開館→2023年3月 閉館

近代の産業とくらし発見館 外観

近代産業や市街地の変遷、暮らしに関する資料を展示しています。また、市民が気軽に参加できる見学会や、ものづくり講座なども開催しています。


利用時間/午前9時~午後5時
(備考)祝日を除く月曜日、年末年始は休館
〒471-0027 喜多町4-45 
交通アクセス/
電車:名鉄豊田市駅から徒歩5分
バス:名鉄・おいでんバス「喜多町四丁目」下車徒歩2分
駐車場/有り
電話番号:0565-33-0301 ファクス番号:0565-33-0319

平成17年(2005年)

近代産業を通じて地域の特色を紹介する施設として開館
明治から大正、昭和初期にかけての愛知県は全国屈指の養蚕県で、現在の市街地周辺は西三河地方北部の繭取引の中心地として栄えていました。発見館として使用している建物は、大正10年(1921年)に県の蚕業取締所第九支所として建造されたもの。その後、挙母市立図書館、青少年相談所など様々な用途に使われました。豊田加茂7市町村の合併により、新しい豊田市が始まった平成17年(2005年)に、「豊田市」になる前の「挙母」のまちの特色を紹介する施設として、近代の産業とくらし発見館が開館しました。

平成21年(2009年)

この年から始まり恒例企画になった「まゆまつり」
養蚕が盛んだった頃、「お蚕様」と呼ばれ、供養されるほど大切にされていたカイコ。発見館ではカイコを飼育しており、繭をつくる春から初夏の期間に合わせ、まゆまつりを開催しています。カイコや養蚕を様々なテーマで紹介する企画展や、実際にカイコを飼育する様子を見ることができ、多くの人が来場しました。

平成24年(2012年)

地域との連携企画「待望の水、水路を走る~竣工100周年を迎える近代化遺産・金山揚水~」
逢妻男川から水を汲み上げ、市南部の高岡地区、刈谷市、知立市にまたがる地域をかんがいした金山揚水について紹介しました。

平成25年(2013年)

ぶらコロモがスタート
市内に点在する近代の産業や暮らしの遺産を紹介する取組として、クイズを解きながら挙母のまちを歩く企画を開始。

平成25年(2013年)

初めて実現した飛行機の企画「われらの飛行機・挙母号 ~衣ヶ原飛行場とその時代~」
町有飛行機の挙母号と、トヨタ自動車元町工場の場所にあった衣ヶ原飛行場について紹介しました。

文化施設に関するお知らせ

新しい博物館の準備状況

現在、建物の工事や展示の製作を進めています。また、「自然標本あつめるプロジェクト」「記憶あつめるプロジェクト」として、市民の皆さんとともに、博物館の展示を作る活動を行っています。2023年度は更に工事を進めて部分開館を予定し、令和6年度の全面開館を目指します。

市民ギャラリー・視聴覚ライブラリーの廃止、市民文化会館の改修

廃止

市民ギャラリー、視聴覚ライブラリー

両施設の一部機能を市民文化会館に集約し、管理の最適化を図ります。

  • 利用最終日…2023年3月31日(金曜日)
  • 問合せ…文化振興課(電話番号:0565-34-6631、 ファクス番号:0565-34-6766、Eメール:bunshin@city.toyota.aichi.jp)

新設

市民文化会館 多目的ホール、展示室C・D

2階の大会議室と応接室を多目的ホールと展示室に改修します。小規模な演劇、発表会や展示会など様々な用途で利用可能です。

  • 利用開始日…2023年4月1日(土曜日)
  • 利用申込み…次のいずれかで直接市民文化会館
    (1)抽選/利用月の8か月前の1日(休館日の場合は翌日)の午前9時~正午 
    (備考)2023年4月利用分は9月1日(木曜日)から
    (備考)当日午後1時からの抽選会に要出席
    (2)先着/(1)の翌日から随時
  • そのほか…利用料金は市民文化会館ホームページで確認。既存の大会議室の利用は8月31日(水曜日)まで
  • 問合せ…
    施設に関すること/文化振興課(電話番号:0565-34-6631)
    申込みに関すること/市民文化会館(電話番号:0565-33-7111)

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このページに関するお問合せ

生涯活躍部 文化財課
業務内容:文化財の調査・保存・活用に関すること
〒471-0079 
愛知県豊田市陣中町1-21-2(とよたiマップの地図を表示 外部リンク)新しいウィンドウで開きます
電話番号:0565-32-6561 ファクス番号:0565-34-0095
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