広報とよた2024年10月号 特集 部活動の、その先へ。

ページ番号1060808  更新日 2024年10月1日 印刷

子どもと地域がつながる新たなカタチ

中学校における「部活動の地域移行」。 急速な少子化や教員の働き方改革を背景に全国的に進められています。 地域の実情に応じた仕組みの構築が求められる今、豊田市は、子どもと地域がつながる新たなカタチを目指して動き始めています。

なぜ、今「部活動の地域移行」なの?

「部活動の地域移行」とは

これまで中学校の教員が顧問となり学校主体で行ってきた部活動を、新たに地域が主体となる仕組みに移行することを「部活動の地域移行」といいます。少子化の中でも、子どもたちが将来にわたりスポーツ・文化に継続して親しむことができるようにするため、全国的に進められている取組です。

中学校のリアル

市内中学校全体の生徒数と部活動数の推移 グラフ

【教員のリアル】
令和4年度、残業時間が月平均45時間を超える中学校教員は、全国で77.1%でした。(一般労働者の平均は13.8時間(厚生労働省))まだまだ働き方改革を進める必要があります。
【少子化のリアル】
市内中学校の生徒数は年々減少し、部活動の数も比例して減少しています。生徒数は今後もより速いペースで減少し続ける見込みです。 部活動が学校主体である以上、教員が受け持つことができる数しか部活動を運営することはできません。そのため、生徒が減る→教員が減る→部活動が減るという状況が生まれます。 そんな中で、「入りたい部活動がない」「チームが組めない」などの事態はすでに起こり始めているのです。

地域移行のメリット

これまでと同じ仕組みや体制で部活動を行うことが難しいことから導かれる「地域移行」という新たなカタチ。地域移行には、子ども・地域・学校それぞれにメリットがあります。

子ども
より専門的な指導を受けることができる
地域
子どもたちの地域への愛着が高まる
学校
生徒と向き合う時間や、質の高い授業を準備する時間が増える

子どもたちの思い

当事者である子どもたちは、部活動にどんな思いをもっているのでしょうか。昨年度、市内中学生を対象に部活動に関するアンケートを実施したところ、8割以上の生徒が部活動への参加意向があることが分かりました。 この結果を受けて市は、できる限り子どもたちが好きな活動を続けられるよう、“子どもファースト”な地域移行を目指すことにしました。

中学1~3年生のアンケート結果 円グラフ

豊田市の目指す姿

  • 子どもたちがスポーツや文化活動を思いっきり楽しんでいる
  • 子どもと大人が一緒に活動することで、子どもたちが地域への愛着を感じ、やがて地域の未来を担う大人へと成長する

「とよた地域クラブ活動」という新しいカタチ

「とよた地域クラブ活動」は、子どもたちがスポーツや文化に親しむための新しい活動です。令和8年度の夏以降、市と地域学校共働本部(注釈)が協力して運営します。
(注釈)豊田市の全小中学校に設置され、地域と学校をつないで、子どもの成長を支えています。現在は、学校へのボランティア派遣や地域貢献活動を行っています。今後はこれらに加え、とよた地域クラブ活動の運営に関する業務を担います。

とよた地域クラブ活動子どものために ・今の部活動と同じ種目を同じ場所(学校)、同じ時間で・参加費無料 市の強みを生かす・スポーツ・文化団体、企業、大学と連携した環境整備(指導者の確保や質の向上) 地域の人と一緒に・教員に代わり専門知識を持った人が指導・子どもたちのニーズをふまえ、地域で種目を新設・見直し

運営体制のポイント

部活動から「とよた地域クラブ活動」へは、下表のように変わります。

これまで 運営 教育委員会、実施 学校、指導者 教員  これから 運営 市、実施 地域学校共働本部、指導者 地域の人(地域指導者) 令和3年度~(準備期) 休日の部活動に地域指導者が段階的に参加 令和8年度  夏~ 平日も含めて「とよた地域クラブ活動」本格スタート

Q&A

「とよた地域クラブ活動」については、これまで子ども・保護者へのアンケートや地域の会議などで説明を行ってきました。みなさんの疑問や心配事をいくつかピックアップして掲載します。

ギモン
「指導者が先生じゃなくても大丈夫?」→「面接を通して安心して指導を任せられると市が判断した人に、指導者として現場での指導を行ってもらいます。また、一定期間顧問の教員から現場の案内や説明を受けてもらうとともに、今後は研修を通して適切な指導方法を学んでもらいます。」

ギモン
「とよた地域クラブ活動には必ず参加しなければいけないの?」→「参加は任意です。選択肢の一つとしてお考えください。」

ギモン
「大会やコンクールへの参加はどうなるの?」→「原則、今までどおり参加できます。」

「部活動の地域移行」さらに詳しい内容は以下のページをご覧ください。

子どもの成長、地域指導者の思い

地域移行は、令和8年度に向けて少しずつ動き出しています。
休日の部活動に地域指導者が参加している学校の様子を伺いました。

技術も精神も、たくさんのことを教わりました

ソフトボールを始めたのは、中学の部活動からです。平日は火・水・金曜日の放課後、休日は土曜日の午前に練習があり、地域指導者さんは土曜日に来てくださっています。私のように中学からソフトボールを始めた子がほとんどですが、専門的な技術を分かりやすく指導してもらえてすごく成長しました。精神的な部分でも、キャプテンとして仲間にどう声を掛ければよいか悩んだときなどにアドバイスをもらいました。引退前最後の市大会優勝、県大会出場という結果も含めて、充実した部活動の時間を一緒に作ってくださったことに感謝しています。 これから中学生になる子たちは色々な不安があると思います。でも、興味を持ったことは、やったことがないことでも思い切って挑戦してみてほしいです。きっと仲間や先生、地域の人と楽しい毎日を過ごすことができると思います。(豊南中学校3年/村上 佳歩さん)

とにかく楽しむこと!子どもたちと一緒に学んでいます

竜神中学校吹奏楽部で、合奏を中心に指導しています。中学校吹奏楽部の顧問としての経験を生かして、少しでも子どもたちの役に立てればと思っています。この3年間は心身ともに最も成長する時期ですので、単に技術向上を目指すだけでなく、心の面でのサポートも大切だと考えます。竜神中で年数回開催される「地域部活動指導者会」では、他の運動部指導者の方々、行政、学校の先生方と情報共有ができ、より良い活動を目指すために勉強させていただいています。 子どもたちが「おもろい、たのしい」と言えるような活動になるよう、そして私自身も楽しみながら一緒に学べる場としてその時間を大切にしています。子どもたちには卒業しても音楽を楽しみ続けてほしいですし、いずれその子たちが経験を積んで地域指導者となって戻ってきてくれたら最高に嬉しいです。(吹奏楽指導者/永長 昭彦さん)

練習だけじゃない、人として大切なことを伝えたいです

月に2・3回、上郷中学校陸上部で走り高跳びを指導しています。私自身、中学時代に走り高跳び専門の指導者に教わり一気に記録が伸びたのですが、高校時代には専門の指導者がおらず伸び悩んだ経験をしました。そのときに適切な指導の必要性を実感したことが今につながっています。 子どもたちには、挨拶や言葉遣いなど、コミュニケーションの大切さを積極的に伝えるようにしています。上手くなる、強くなるための練習ももちろんしますが、そういった人として基本的なことを大切にできると、競技そのものへの意識も高まると思います。そして、中学卒業後の人生にも助けとなるような学びを受け取ってもらえるといいなと思っています。今後も、他の種目の指導者の方々と連携しながら、未来ある子どもたちの成長を見守っていきたいです。(陸上競技指導者/有我 真吾さん)

地域指導者、始めてみませんか?

市では、地域指導者を随時募集しています。 現在も500人以上が参加しており、多くの人が子どもの成長に喜びを感じ、今後も続けることを希望しています。地域指導者として、あなたの経験を子どもたちのために生かしてみませんか?

  • 安全管理やハラスメント防止、教育的配慮についての映像研修や、コーチングなどの講義研修を準備中
  • 指導に専念できるよう、指導以外の事務は市がサポート
  • 謝礼は時給制

申込みから指導までの流れ 

申込みから指導までの流れ STEP1 申込み ホームページや電話などで申込みをしてください STEP2 マッチング 希望の種目や地域を確認し、市が探します STEP3 面接(学校) 学校で面接を行います STEP4 現場指導 教員から現場の案内や説明を受けながら指導を開始します

ホームページから申込み

種目や活動時間、人数などの募集情報を掲載中

電話で申込み

学校教育課(電話番号:0565-34-6662)
指導者の申込みのほか、疑問や不安なことなどもご相談ください

(備考)上記のほか、中学校に直接申し込むこともできます

パリオリンピックに出場した豊田市出身のわがまちアスリートからスペシャルメッセージ動画が届きました!!

  • 崇化館中学校 バレーボール部 出身 深津 旭弘選手
  • 逢妻中学校 バレーボール部 出身 山田 二千華選手

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