広報とよた2024年9月号 特集2 子どもに必要な、それぞれの居場所。
夏休みが明けて、子どもたちは、9月からまた、学校での生活が始まります。
生活習慣が変わることで、学校への行きづらさや、教室への入りづらさを感じる子も少なくありません。
子どもたちが学校や教室以外でも、自分らしく過ごせるためには、どのような支援が望まれるのか。 特集2では、子どもが「ここにいていいんだ」と、ほっとできる居場所「はあとラウンジ」などについて紹介します。
不登校の現状 増加傾向。生活様式の変化による影響も
不登校の児童生徒(注釈)は、以前も年々増加していましたが、3年程前から特に増加し、昨年度には令和2年度の約2倍、1,200人を超えました。
コロナ禍を経て、大人も子どもも生活様式が多様になり、また「不登校は問題行動ではない」という近年の法規定もあり、様々なかたちの学びや人との関わり方が、広く許容されるようになったことも要因として考えられます。
(注釈)1年間に30日以上の欠席のある児童生徒をいう
子どもたちの声
- 「みんなと一緒」っていうのが苦しくて…。教室に行くのは、みんなの目が気になるけど、別室で少人数なら過ごせるよ。
- 今の状況を何とかしたくて、何かやりたい。でも、何ができるか分からない。
- 本当はみんなでバレーとかバスケとか、一緒に遊んだり、運動したりしたいな…。
大切なのは、人との関わりを持ち続けること 多様な支援で、全ての子どもに寄り添う
不登校の児童生徒に対し、学校に行くことを正解として接するのは適切ではありません。子どもたちはそれぞれに異なる理由、気持ちを抱えています。何より大切なのは、大人へと成長する中で人や社会との関わりを持ち続けることなのです。
豊田市には、誰にも相談できず一人で悩んでしまうことがないよう、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、心の相談員など、様々な境遇の子どもに寄り添う支援者がいます。そして、「自分はここにいていいんだ」と感じる居場所として、学校の内外に「はあとラウンジ」があります。どこにいる、どんな状況の子どもでも、ほっとできる支援が用意されています。
ほっとできる居場所 「はあとラウンジ」とは
校内はあとラウンジ
教室に入りづらい子、学校に行きづらい子が過ごす場所。「自分はここにいてもいい」「あの子もここにいていい」をキーワードに、自分にとって必要な学びをします。 自分で決めた目標に向かって取り組む姿を、心の相談員やスタッフが、温かく寄り添い見守ります。
パルクはあとラウンジ
学校に行きづらい子が、自分で学習を進めたり、スポーツや屋内外で体験活動をしたりします。「(1)ふれあい」「(2)ひだまり」「(3)しもやま」「(4)なんぶ」「(5)ほみ」「(6)あすけ」の6か所があります。
「いつでもおいで」
「校内はあとラウンジ(以降、はあとラウンジ)に、元気のない子がやってきました。一緒にゆったり過ごしたあと、教室に戻ると言いました。「また、来ていい?」「いいよ、いつでもおいで」…。中には、「学校には来たくないけど、この学校を卒業しなといけないから」と言って、はあとラウンジには頑張って来る子もいます。はあとラウンジは、友達と一緒に学ぶ教室とは違い、自分なりの学びができる多様性のある教室だと思っています。こうした居場所があることを皆さんにも知ってほしいです。」
(心の相談員 寺田 達子さん)
はあとラウンジに関する問合せ
パルクとよた(電話番号:0565-32-6595、ファクス番号:0565-32-7911、Eメール:palctoyota@city.toyota.aichi.jp)