大気汚染防止法における揮発性有機化合物(VOC)排出抑制の概要

ページ番号1027112  更新日 2022年5月2日 印刷

VOCの排出規制の概要、自主的取り組みの事例を紹介しています。

1 経緯

揮発性有機化合物(VOC)は、浮遊粒子状物質(SPM)や光化学オキシダントの原因物質の一つです。SPMや光化学オキシダントの大気汚染状況は全国的に改善されておらず、また、光化学オキシダントが高濃度になると光化学スモッグとなり、健康被害が懸念されるため、早急に対策をする必要があります。
そこで、SPMや光化学オキシダントによる大気汚染を防止するために、大気汚染防止法が改正され、その原因物質の一つであるVOCの排出及び飛散の抑制を図ることになりました。
なお、豊田市内においては、SPMの年平均値は緩やかな減少傾向にあるものの、光化学オキシダントの年平均値は横ばい傾向にあり、全ての測定局において環境基準が達成されていません。

2 規制の概要

この規制は、VOCを多量に排出する事業者に対する排出規制と事業者等の自主的取組を適切に組み合わせて相乗的な効果を発揮する(政策のベストミックス)ことによるものです。

VOC を排出する事業 1法規制 対象施設:9つの施設(下記「4 届出が必要な施設及び排出基準」を参照) 事業者が行わなければならないこと(1)施設の届出(2)排出濃度の測定(3)排出基準の遵守 2自主的取組 対象施設:法規制対象施設以外 業種、施設規模に関する規定はありません。 事業者が自主的取組において行うこと (自主的取組の例)業界団体の自主行動計画への参加 自社削減計画の設定 VOC削減対策(具体的事例は、下記の事例集を参照)の実施

1 排出規制

VOCの排出量の多い施設を 揮発性有機化合物排出施設(VOC排出施設)とし、VOC排出施設を新たに設置したり、構造等を変更したりする場合は、事前に届出が必要となります。施行日(平成18年4月1日)において、既設又は設置工事中の施設については、30日以内に使用の届出が必要となります。また、排出濃度を測定(原則年1回以上)し、その結果を記録し、3年間保存する義務もあります。

2 自主的取組

業界団体等による原材料や製品の低VOC化の実施などがあり、事業者や市民においては低VOC製品を優先的に購入・調達に努めるなどの責務があります。
事業者には、事業の実態を踏まえ、コストなどを勘案した創意工夫によって、VOC削減対策が行われています。以下のページでは、具体的な取組事例の紹介をしています。
関連する他サイトへのリンクを参照ください。

3 揮発性有機化合物(VOC)

この法律において「揮発性有機化合物」とは、大気中に排出され、又は飛散した時に気体である有機化合物(浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質(下表参照)として政令で定めるものを除く。)をいいます。(下記「揮発性有機化合物に該当する主な物質」を参照ください。)

浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質

大気汚染防止法施行令第2条の2「揮発性有機化合物から除く物質」
1 メタン
2 クロロジフルオロメタン(別名HCFC-22)
3 2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(別名HCFC-124)
4 1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(別名HCFC-141b)
5 1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(別名HCFC-142b)
6 3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(別名HCFC-225ca)
7 1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(別名HCFC-225cb)
8 1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(別名HFC-43-10mee)

4 届出が必要な施設及び排出基準

届出が必要な施設は、下記の揮発性有機化合物排出施設を設置する又は使用している施設であって、規模要件に該当するものです。
排出基準は、既設の施設(平成18年4月1日において現に設置されている、もしくは設置の工事が着手されているもの)については、平成22年4月1日から適用されます。

1項 揮発性有機化合物を溶剤として使用する化学製品の製造の用に供する乾燥施設

規模要件
送風機の送風能力が毎時3,000立方メートル以上のもの
排出基準
600ppmC

2項 塗装施設(吹付塗装に限る。)

規模要件
排風機の排風能力が毎時100,000立方メートル以上のもの
排出基準
  • 自動車の製造の用に供するもの:既設700ppmC 新設400ppmC
  • その他のもの:700ppmC

3項 塗装の用に供する乾燥施設(吹付塗装及び電着塗装に係るものを除く。)

規模要件
送風機の送風能力が毎時10,000立方メートル以上のもの
排出基準
  • 木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するもの:1,000ppmC
  • その他のもの:600ppmC

4項 印刷回路用銅張積層板、粘着テープ・粘着シート、はく離紙又は包装材料(合成樹脂を積層するものに限る。)の製造に係る接着の用に供する乾燥施設

規模要件
送風機の送風能力が毎時5,000立方メートル以上のもの
排出基準
1,400ppmC

5項 接着の用に供する乾燥施設(前項に掲げるもの及び木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するものを除く。)

規模要件
送風機の送風能力が毎時15,000立方メートル以上のもの
排出基準
1,400ppmC

6項 印刷の用に供する乾燥施設(オフセット輪転印刷に係るものに限る。)

規模要件
送風機の送風能力が毎時7,000立方メートル以上のもの
排出基準
400ppmC

7項 印刷の用に供する乾燥施設(グラビア印刷に係るものに限る。)

規模要件
送風機の送風能力が毎時27,000立方メートル以上のもの
排出基準
700ppmC

8項 工業製品の洗浄施設(乾燥施設を含む。)

規模要件
洗浄剤が空気に接する面の面積が5平方メートル以上のもの
排出基準
400ppmC

9項 ガソリン、原油、ナフサその他の温度37.8度において蒸気圧が20キロパスカルを超える揮発性有機化合物の貯蔵タンク(密閉式及び浮屋根式(内部浮屋根式を含む。)のものを除く。)

規模要件
1,000キロリットル以上のもの(ただし、既設の貯蔵タンクは、容量が2,000キロリットル以上のものについて排出基準を適用する。)
排出基準
60,000ppmC

(注意)

  • 「送風機の送風能力」が規模の指標となっている施設で、送風機がない場合は、排風機の排風能力を規模の指標とする。
  • 「乾燥施設」はVOCを蒸発させるためのもの、「洗浄施設」はVOCを洗浄剤として用いるものに限る。
  • 「ppmC」とは、排出濃度を示す単位で、炭素換算の容量比百万分率である。

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