豊田PCB廃棄物処理施設からのPCBを含む排ガスの漏えい事故について(2005年11月)
PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む排ガスの漏えい事故について
2005年11月21日、日本環境安全事業株式会社(現:中間貯蔵・環境安全事業株式会社)から下記のとおり事故報告がありました。市は、直ちに立入調査を実施して、状況の把握するとともに、周辺環境への影響を調べるために環境調査を早急に実施します。
また、日本環境安全事業株式会社に対し、施設の停止、徹底した原因究明と再発防止のための改善を指示しました。
日本環境安全事業株式会社からの報告内容
漏えいの状況
11月21日午前2時頃、蒸留エリアの第1洗浄液蒸留塔の塔底ポンプの圧力計の取り付け部が破損し、そこからPCB入りの洗浄液が防油堤内で漏えいした。
その後の対応
当該ポンプは漏えいと同時に自動停止し、手動弁は直ちに閉止し、蒸留塔も即刻停止作業を実施した。防油堤内の漏えい液の回収、拭き取り作業は午前5時頃に完了した。
地域への影響
密閉した施設内にある防油堤内での漏えいであり、直ちに汲み取りして全量回収したが、一般管理区域を対象とした換気排気のオンラインモニタリングがPCB=210μg/Nm3を表示した。活性炭排気処理装置を装備する換気系統への切り替え作業は午前6時30分頃に完了し、約4時間30分にわたりPCBを含むガスが排気された可能性がある。 現在、蒸留エリアからではなく、一般管理区域からPCBが検出された原因を調査中であり、排気口での排気サンプリングを実施し、PCB排気濃度を分析している。


連絡先
中間貯蔵・環境安全事業株式会社 豊田事業所
電話 0565-25-3110
市の対応状況
処理施設への立入調査の実施
立入日時
2005年11月21日 午前11時30分から午後3時00分
確認事項
- 現在、施設が停止していること
- PCBの外部への漏洩が止まっていること
- 事故時の日本環境安全事業株式会社の対応状況、及び運転管理体制等について
指示事項
- 設備の総チェック
- 環境調査(大気、水質、底質、土壌、排気、排水)
- 作業員の再教育等
市と日本環境安全事業株式会社との協定に基づく文書指導(2005年11月22日午前)
- 処理施設を停止すること。(既に停止中)
- 原因を究明し、その結果を市に報告すること。
- 運転の再開については、市の承認を得ること。
今後の対応
- 市周辺環境への影響を把握するため、環境調査(大気、水質、底質、土壌、排水)を実施予定(2005年11月25日から26日実施)
- 日本環境安全事業株式会社から事故原因の究明等が報告され次第、安全監視委員会を開催予定。
周辺環境の調査結果について
調査結果の概要
総PCB及びコプラナーPCBについて、処理施設の風下側の土橋児童遊園において大気、土壌を各1地点、逢妻男川の処理施設直近にて水質、底質を各1地点、処理施設の最終放流口にて排水を1地点、調査を実施しました。
調査の結果は、すべての地点、媒体において総PCB及びコプラナーPCBが検出されましたが、その濃度は総PCB、コプラナーPCBともに環境基準等を下回っており、健康への影響はないものと考えられます。
調査結果の詳細
調査日
- 大気
11月25日(金曜日)~26日(土曜日)(24時間サンプリング) - 水質、底質、土壌、排水
11月25日(金曜日)
調査地点

調査結果
媒体 | 地点名 | 調査結果 | 環境基準等 |
---|---|---|---|
大気 | 土橋児童遊園 | 0.0002μg/m3 | 0.5μg/m3 |
土壌 | 土橋児童遊園 | 0.00000089mg/g | 0.0005mg/L |
水質 | 逢妻男川(PCB廃棄物処理施設 直近) | 0.0000025mg/L | 0.0005mg/L |
底質 | 逢妻男川(PCB廃棄物処理施設 直近) | 0.0000013mg/g | 0.001mg/g |
排水 | PCB廃棄物処理施設(最終排水口) | 0.000097mg/L | 0.003mg/L |
備考 μg(マイクログラム):100万分の1グラム
媒体 | 地点名 | 調査結果 | 環境基準等(ダイオキシン類) |
---|---|---|---|
大気 | 土橋児童遊園 | 0.0036pg-TEQ/m3 | 0.6pg-TEQ/m3 |
土壌 | 土橋児童遊園 | 0.58pg-TEQ/g | 1,000pg-TEQ/g |
水質 | 逢妻男川(PCB廃棄物処理施設 直近) | 0.057pg-TEQ/L | 1pg-TEQ/L |
底質 | 逢妻男川(PCB廃棄物処理施設 直近) | 0.076pg-TEQ/g | 150pg-TEQ/g |
排水 | PCB廃棄物処理施設(最終排水口) | 0.30pg-TEQ/L | 10pg-TEQ/L |
備考 TEQ(毒性等量):ダイオキシン類の中で最も毒性の高い2,3,7,8-TCDDに換算した値。
参考
コプラナーPCBとは
PCBには209種類の異性体があり、このうち14種類がコプラナーPCBとよばれ、ダイオキシン類と同様の毒性があるとされ、ダイオキシン類対策特別措置法ではダイオキシン類の一種とされている。
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