この人に、会いに。 Vol.09
漆の可能性に魅せられ 挑戦し続ける
漆芸家・安藤則義さん
安藤 則義(あんどう のりよし)さん
旧小原村生まれ。学生時代は県立芸術大学で日本画を専攻。日本文化財漆協会理事を務める。公益社団法人日本工芸会正会員
失敗はつきもの、それが面白い

どの作品も、手にする人のことを考えるところから
「工芸」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか。今回お話を伺った安藤則義さんは小原地区で漆を使った作品を作る漆芸家です。
大学卒業後に漆芸家の道を歩み始めた安藤さん。これまで数多くの作品を作り、展覧会にも何度も出品してきましたが、「今もずっと失敗ばかりですよ。でもそのほうが、初めから上手くいくより最終的には良い作品になるような気がしています」と創作活動の面白さを語ります。
1つの漆作品を仕上げるまでには実に様々な工程がありますが、まず考えることは出来上がった物の“行き先”だそうです。「どんな人の手に渡るのか、どんな風に使ってもらうのか、どんな所に飾ってもらうのか。だから、全ての作品は行き先も含めて思い入れがあるんですよ」。
「海外では、漆塗り作品のことを日本特有の美しさを持つものという意味で「japan」と呼ばれることがあるそうです。日本人として、漆を扱う誇らしさと責任を感じます」という安藤さん。2015年に手掛けた松平東照宮拝殿の天井画はまさに「japan」の魅力が詰まった大作になりました。市内の人だけでなく、国内外の多くの観光客を魅了しています。

松平東照宮拝殿の天井画。直径約60センチメートル・108枚の杉板には、季節の身近な草花が描かれている
新たな挑戦
漆芸家としてのキャリアが長くなってもなお、安藤さんは新しいことに挑戦し続けています。その1つがラリージャパンのトロフィー制作です。最初に声が掛かったのは、2024年大会。ラリーがどんなものか詳しく知らず戸惑ったものの、「過去のトロフィーを見せてもらうと、材質や色が様々、形もユニークなものがたくさんあってとても驚きました。漆の可能性を表現できるような新しいトロフィーを考えてみたい」と制作に挑戦してみることにしたそうです。何度も試作を重ねて形になったトロフィー。「実際に選手たちが嬉しそうに掲げているのを見た時はほっとしました」。
今月開催する2026大会でも、安藤さんの「japan」のトロフィーが優勝チームに手渡される予定です。

安藤さんが作ったトロフィーを掲げる選手たち(フォーラムエイト・ラリージャパン2025表彰式)
映像はこちらからご覧ください。



