ラグビーワールドカップ2019in豊田スタジアム
世界最高峰のラグビーに感動 ラグビーワールドカップ2019TM in 豊田スタジアム
世界中に熱い感動をもたらしたラグビーワールドカップ2019。全国12会場の一つに、豊田スタジアムが選ばれました。招致から開催までの道のり、大会期間中の熱狂、レガシーなどを振り返ります。
ラグビーワールドカップは、1987年に第1回大会を開催して以来、4年に一度行われる国際大会です。夏季オリンピックやサッカーワールドカップと並ぶ世界三大スポーツ大会の一つと言われています。これまでは、ヨーロッパやオセアニア、南アフリカなど、ラグビー伝統国が開催地となってきました。その歴史に新たな風が吹いたのが、ラグビーワールドカップ2019。日本がアジア初の開催地に選ばれました。そして、たくさんの声援を力に変えた日本代表が史上初の8強入りという快挙を成し遂げたのです。
ラグビーワールドカップ2019公式キャッチコピー「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」のとおり、市民にとっても、一生に一度の体験となった今大会。世界中から訪れた多くの人とともに、世界最高峰のラグビーが生み出す熱狂や感動を分かち合いました。
招致から開催までの道のり
多くの人々の尽力により、豊田スタジアムでの開催が決定。ラグビーの魅力や豊田市開催のメリットを広く伝え、ラグビーワールドカップ2019の開催機運を醸成しました。
2014年(平成26年)
- 5月 豊田市が開催都市として立候補を表明
- 10月 愛知県と豊田市が連名で開催都市希望申請書を提出
2015年(平成27年)
- 1月 ラグビーワールドカップリミテッドらが開催都市立候補地を公式視察
- 3月 愛知県・豊田市が開催都市に決定
- 8月 ラグビーワールドカップ2019愛知・豊田開催支援委員会を設立
- 9月 イングランドで開催されたラグビーワールドカップ2015のパブリックビューイングを実施
2016年(平成28年)
- 6月 リポビタンDチャレンジカップ2016日本代表対スコットランド代表戦の開催
- 7月 愛知・豊田ラグビーフェスタ2016の開催
- 12月 1000日前イベントの開催
2017年(平成29年)
- 11月 試合日程発表のパブリックビューイングを実施
- 11月 愛知・豊田ラグビーフェスタ2017の開催
2018年(平成30年)
- 1月 チケット販売が開始
- 4月 名古屋市・一宮市・豊田市が公認チームキャンプ地に内定
- 4月 ラグビーワールドカップ2019日本大会公式ボランティアの募集を開始
- 5月 500日前イベントの開催
- 6月 リポビタンDチャレンジカップ2018日本代表対ジョージア代表戦の開催
- 6月 愛知・豊田ラグビーフェスタ2018の開催
- 9月 最大のラグビースクラムでギネス世界記録を達成(豊田商工会議所青年部)
- 10月 1年前イベントの開催
2019年(令和元年)
- 6月 愛知県・豊田市独自ボランティアの募集を開始
- 6月 愛知・豊田ラグビーフェスタ2019の開催
- 6月 100日前イベントの開催
- 8月 シティドレッシングを開始
- 9月 ラグビーワールドカップ2019の開幕
熱気と感動に包まれた、「一生に一度」の体験
豊田スタジアムでの試合をはじめ、スカイホール豊田でのファンゾーン、世界中のラグビーファンを歓迎するおもてなしイベントが賑やかに開催されました。大会期間中、豊田市が熱気に包まれ、人々の心に一生に一度の思い出が刻まれました。
【開催レポート】豊田市全体が熱気の渦に
豊田スタジアム試合結果
(備考)ニュージーランド・イタリア戦は、大型の台風19号の接近により残念ながら中止となりました。チームや観客、大会に関係するすべての人々の安全を最優先に考えた苦渋の決断でした。
もっと強くなりたい夢の舞台で新たな扉を開く
姫野和樹選手インタビュー
姫野和樹選手プロフィール
1994(平成6)年 愛知県生まれ
2017(平成29)年 トヨタ自動車ヴェルブリッツ入団/新人賞・ベスト15、日本代表選出
2019(令和元)年 ラグビーワールドカップ2019出場 全5試合先発出場
―ラグビーワールドカップ2019に出場し、いかがでしたか。
出場した全5試合、夢の舞台に立てた喜びを噛みしめながらプレーしました。その一秒一秒が、自分にとってかけがえのない宝物です。
―地元・豊田スタジアムの試合で、印象に残っていることを教えてください。
トライを決めた時、会場が姫野コールに包まれた瞬間は、本当に忘れられません。とても感慨深く、胸が熱くなりました。豊田スタジアムは、僕のホームスタジアムだと思っています。そんな大切な場所で自分らしいプレーができて、お世話になった方々、応援してくれる方々に恩返しができたかなと嬉しく感じました。
もう一つ印象に残っているのは、豊田市のみなさんのおもてなし。とても素晴らしかったです! 豊田市駅前の賑わいは、まさにお祭り騒ぎ。すごい盛り上がりでしたね。日本代表が宿泊したホテル前には大勢の人々が集まって大歓迎してくれて、豊田市はラグビーに熱いまちだと実感しました。
―ラグビーワールドカップ2019を通して、何を得たと感じますか。
「もっと強くなりたい」という向上心です。
中学時代からラグビーに熱中してきた僕には「ラグビーを日本になくてはならない存在にしたい」という夢があります。その実現のためには自分自身がもっともっと強くならないといけない。次のワールドカップでより良い結果を残さないといけない。そんな気持ちに火がつきました。
また、今大会はラグビーの可能性をひしひしと感じた大会でした。ワンチーム、ノーサイドなどのラグビー文化が多くの人の心を掴んで、それが日本中の盛り上がりにもつながったのでしょう。ラグビーが日本においてさらに発展していくことを感じました。
―今後の目標を教えてください。
2023年のラグビーワールドカップでベスト4に入りたい。そのために、今やるべきことを常に考えて行動し、前に進み続けたいと思います。2021年には海外のハイレベルなリーグに挑戦し、自分の力を伸ばしていきます。
―豊田市のみなさんへ、メッセージをお願いします。
今回のラグビーワールドカップでは、豊田市のラグビー熱をすごく感じました。その熱を冷めさせないためにも、支えてくれるみなさんへの感謝の気持ちを胸に自分を成長させていきます。トヨタ自動車ヴェルブリッツもトップリーグでさらに飛躍できるよう、ぜひみなさん応援してください。よろしくお願いします!
ラグビーワールドカップ2019の感動を支えた“ONE TEAM”
市民ボランティアの活躍
ラグビーワールドカップ2019開催中、豊田市はきらめく雰囲気に包まれていました。そこでひときわ輝いていたのが、ホスピタリティマインドに満ちたボランティアのみなさんです。ラグビーも豊田市も楽しんでほしいという思いを一つにして、あらゆる場面で活躍しました。
部活でラグビーに熱中していた高校時代、豊田市がラグビーワールドカップの会場に決定。「自分が生まれ育ったまちに世界のラグビーが来るんだ!」と興奮しました。そんな経験から、大好きなラグビーに貢献したいという一心でボランティアに挑戦しました。ファンゾーンの案内誘導やゲートでのおもてなしに力を注ぎ、観客の方々との交流を楽しみました。ボランティアに参加して良かったことは、年齢、性別、職業などが異なる様々なメンバーと一つの目標に向けて取り組めたこと。ボランティア活動を通して柔軟性や相手を思いやる姿勢を培うことができました。
(ラグビーワールドカップ2019日本大会公式ボランティア「TEAM NO-SIDE」参加 是安 佑飛さん)
日本ラグビーが育んだ「ノーサイドの精神」のもと、日本やラグビーの素晴らしさを発信。全国12開催都市で合計約1万3,000人が採用されました。
(ラグビーワールドカップ2019日本大会公式ボランティア「TEAM NO-SIDE」
「主な活動内容は、豊田市駅周辺でのチラシ配りや道案内などでした。私は10人ほどのグループをまとめるボランティアリーダーを務め、仲間への声かけやフォローも大切にしました。心に残っているのは、海外の方々を道案内する時に英語が得意なメンバーにお願いするなど、仲間と互いに力を合わせて活動したことです。「一人ではできないことも、みんなで協力すれば達成できる」と再認識しました。また、今回参加したことで、豊田市には観光スポットや名産品がたくさんあると実感。今後は観光分野のボランティアにも挑戦したいです。」
(愛知県・豊田市独自ボランティア「TRY FOR ALL スタッフ」参加 白川 直美さん)
「世界一熱いラグビーを届けよう」という愛知・豊田の地元キャッチフレーズを体現するように、真心込めたおもてなしを実践。多くの人に笑顔を届けました。(愛知県・豊田市独自ボランティア「TRY FOR ALL スタッフ」)
ラグビーワールドカップ2019が遺したもの
ミライにつながるレガシー
ラグビーワールドカップ2019の招致・開催は、豊田市に様々なレガシー(遺産)をもたらしました。道路や駅前などのハード整備とともに、ボランティアプログラムなどのソフト事業も活発になり、まちの活性化、魅力向上につながっています。
誰もがイキイキ輝くまちへ
ラグビーワールドカップ2019開催を機に、豊田市はスポーツを「する」「楽しむ」「支える」環境を整えました。豊田スタジアムでは大型映像装置の増設やピッチ照明・音響設備の改修などを実施しました。
また、トヨタ自動車ヴェルブリッツの選手らが、タグラグビーを通じ、ラグビーの面白さを伝える「ヴェルブリッツタグラグビー教室( 通称:タグブリッツ)」を開催するなど、市民がスポーツを楽しむ場を創出しました。
さらに、市内のスポーツイベントを支える「スポーツボランティアとよた(愛称: スポボラとよた)」を2020(令和2)年8月に設立。ボランティア同士が楽しく交流しながら活動することでスポーツを支える新たな仕組みを築き、ボランティアの一層の拡充を図っています。
賑わいあふれるまちへ
誰もが訪れたくなるまちを目指して、豊田市駅周辺を居心地の良い魅力的な空間へと整備。
駅前には開放的な芝生広場「とよしば」がオープン。人々の交流の場となっています。
移動が便利なまちへ
豊田北バイパス平戸大橋の整備、高橋の4車線化をはじめとした道路整備を行い、渋滞の解消など快適な交通環境を創出しました。