特集 開館30周年 私たちの、豊田市美術館
特集
開館30周年
私たちの、豊田市美術館
1995年、挙母城(七州城)のあった高台の一角に開館した豊田市美術館。市の美術館としての姿を探求しながら少しずつ歩みを進め、今年開館30周年を迎えます。この特集では、30周年を記念した展覧会情報のほか、この機会に改めて紹介したい、美術館の魅力や楽しみ方をお届けします。
こだわりのコレクション
これぞ豊田市美術館
近現代の美術・デザインを中心に国内外の作品を収集してきた当館。クリムト作品に代表されるような絵画だけでなく、彫刻や空間を大きく使った立体作品など、個性豊かなコレクションになりました。今後も、年代を問わず新しい価値観をもたらしてくれるコレクション作りを続けていきます。
グスタフ・クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913/14年
学芸員 石田 大祐
私のお気に入りは《12メートルの木》という、木の年輪を剥がし取り、若い幹や枝を出現させた作品です。人々にとって身近な素材をユーモアある扱い方で作品に仕上げる作家の感性に惹かれます。不定期展示しているので、見つけた際は是非間近で眺めてみてください。
ジュゼッペ・ペノーネ《12メートルの木》1982年
建築と庭園の美
建築ファンも注目
実は、海外からも見学に訪れる人がいるほど人気がある建築と庭園。設計は、美術館建築で名高い谷口吉生氏とアメリカのランドスケープ・デザイナーのピーター・ウォーカー氏によるものです。乳白色のガラスを壁面いっぱいに配した館内は心地よい明るさで満たされ、何時間でもゆったりと鑑賞できるような空間になっています。
庭園は上段に大きな池、下段に芝生と砂利の市松模様の構成。開放的なのにどこか落ち着くこの庭園では、散歩をしたり本を読んだりして過ごす人も多くいます。
敷地内どこでもフォトスポット
オシャレ写真が撮れる
庭園や撮影可能な作品など、思わずカメラを向けたくなるスポットがたくさんあります。特に、屋外彫刻テラスに展示している鏡とカラフルな板でできた作品は、アーティストのミュージックビデオの撮影場所としても使用された人気スポット。館内も、移動していくうちに景色が次々と変わるので自分だけのフォトスポットを発見できるかも。
作品ガイドプログラム
芸術の知識がなくても安心
開館2年目から続く、ボランティアによる作品ガイド。豊田市美術館を愛する45人の作品ガイドボランティアがほぼ毎日活動中です。お客さんと一緒に館内を巡る「ギャラリーツアー」や、1つの作品を鑑賞しながらじっくり語り合う「みる×かんがえる×つたえる」鑑賞会など、美術館を楽しむお手伝いをしています。
作品ガイドボランティア 喜田 泉さん/城所 豊美さん
ガイドプログラムは一期一会で、参加されるお客さんによって全く違うものになります。小さいお子さんのストレートな発想がとても面白かったり、常連さんからの鋭い視点の感想に驚いたり。私たちと一緒に作品を見ながら、1つでもグッと刺さるポイントを見つけて帰っていただけたら嬉しいです。
美術館オリジナルが大人気
SDGsな一点物や期間限定デザートも
展覧会開催時、エントランスに飾られる大きな幕。役目を終えた幕は裁断され、一点一点柄の異なるアップサイクルバッグに生まれ変わります。ミュージアムショップでお気に入りを見つけてみてください。
また、館内レストラン「ル・ミュゼ(味遊是)」では、展覧会にちなんだ期間限定デザートを提供しています。会期中にしか味わえない特別なティータイムもおすすめ。