石綿の排出作業の規制概要

ページ番号1027111  更新日 2021年4月15日 印刷

大気汚染防止法の規制の対象となる作業の作業基準や届出についてのご説明です。

アスベスト(石綿)の規制について

アスベスト(石綿)は、昭和30年頃から使われ始め、安価で耐火性、耐熱性、防音性など多様な機能を有していることから、建築材料として、様々な建築物等に広く使用されてきました。
しかし、アスベストのばく露後数十年を経て発症する中皮腫や肺がん等の重篤な疾病による健康影響が社会問題となりました。
これより、アスベストを使用する製品の製造が順次禁止されるとともに、アスベストを使用した建築物の解体工事等に伴うばく露防止や一般大気環境中への飛散防止対策の強化が行われています。
近年では、解体現場等からアスベストが飛散する事例や、建築材料に石綿が使用されているかどうかの事前調査が不十分である事例が確認されています。
健康被害や調査の見落とし等を防ぐための規制強化により、令和2年6月に、大気汚染防止法の改正が行われました。(令和3年4月1日施行)

規制の対象となる作業

特定建築材料が使用されている建築物又は工作物の解体、改造、補修作業

特定建築材料の種類

吹付け石綿

(1)吹付け石綿、(2)石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)、(3)石綿含有ひる石吹付け材、(4)石綿含有パーライト吹付け材

石綿を含有する断熱材(吹付け石綿を除く)

(1)屋根用折板裏断熱材、(2)煙突用断熱材

石綿を含有する保温材(吹付け石綿を除く)

(1)石綿保温材、(2)石綿含有けいそう土保温材、(3)石綿含有パーライト保温材、(4)石綿含有けい酸カルシウム保温材、(5)石綿含有ひる石保温材、(6)石綿含有水練り保温材

石綿を含有する耐火被覆材(吹付け石綿を除く)

(1)石綿含有耐火被覆板、(2)石綿含有けい酸カルシウム板第2種

その他の石綿を含有する建築材料(レベル3建材)

(1)石綿含有成形板、(2)けい酸カルシウム板第1種、(3)石綿含有仕上塗材

事前調査(法第18条の15関係)

  1. 建物等の解体、改修、補修工事を行う前に、建物等に特定建築材料が使用されていないか書面調査、目視調査、分析調査を行います。
  2. 調査は「建築物石綿含有建材調査者」(注釈)の有資格者が行います
    石綿含有建材調査者の種類
    • 一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
    • 特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)
    • 一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)
    • 一般社団法人日本アスベスト調査診断協会の登録者(義務付け適用前の登録に限る。)
    (注釈)建築物石綿含有建材調査者による調査は、令和5年10月1日から義務化されます。義務付けの前でも、できる限り有資格者が調査を行ってください。
    建築物石綿含有建材調査者資格は、一般財団法人日本環境衛生センター、一般社団法人環境科学対策センター等が開催する講習を受講することで取得できます。

調査結果の説明(法第18条の15第3項、法第18条の15第4項関係)

  1. 元請業者から、特定建築材料の有無を工事発注者に書面で説明します。
  2. 調査結果の写し、説明時に使用した書面は工事現場に備え置き、記録を3年間保存します。

調査結果の報告(法第18条の15第6項関係)

解体面積や請負工事金額など一定の要件を満たす工事は、石綿の使用の有無に関わらず、電子システムで市へ調査結果を報告します。
(備考)電子システムによる調査結果の報告は、令和4年4月1日から施行されます。 

作業の届出(法第18条の17関係)

レベル1、レベル2建材が使用されていた場合、工事発注者が、作業着手2週間前までに「特定粉じん排出等作業実施届出書」を市に届出します。

特定粉じん排出等作業の開始の日の考え方

除去等に係る一連の作業の開始日であり、工事そのものの開始日ではありません。具体的には、足場の設置、作業区画の隔離、集じん・排気装置の設置等の飛散防止のための作業を開始する日を指します。(平成18年9月5日環水大大発第060905003号)

作業計画の作成(規則第16条の4関係)

特定建築材料が使用されていた場合、作業計画を作成します。

作業計画の内容

  • 特定工事の発注者の氏名又及び住所(法人であってはその代表者氏名)
  • 特定工事の場所
  • 特定工事の作業の種類
  • 特定粉じん排出等作業の実施期間
  • 対象特定建築材料の種類とその使用箇所及び使用面積
  • 特定粉じん排出等作業の方法
  • 対象となる建築物等の概要(構造・階数・延べ面積等)と配置図及び付近の状況
  • 特定粉じん排出等作業の工程を明示した特定工事の工程の概要
  • 特定工事を施工する者の現場責任者の氏名及び連絡場所
  • 下請負人が作業を実施する場合の当該下請負人の現場責任者の氏名及び連絡場所

事前調査結果・作業内容の掲示(法第18条の15第5項関係)

A3(42.0センチメートル×29.7センチメートル)以上の用紙で、一般の人が見やすい位置に掲示します。

作業基準について(法第18条の14、施行規則第16条の4)

特定建築材料に応じた作業基準の遵守が義務付けられます。

1 吹付け石綿、石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆材(法第18条の19、規則別表第7)

次の方法で除去等を行います。

(1)かき落とし、切断し、又は破砕することなく取り外す方法
(2)除去を行う場所を他の場所から隔離し(前室も設置)、除去を行う間、JISZ8122に定めるHEPAフィルタを付けた集じん・排気装置を使用する方法
(3)上記に準じた方法であること(例:グローブバック)
(4)特定建築材料を囲い込み又は封じ込めること

作業中に次の事項を確認します。

(1)集じん・排気装置が正常に稼働しているか確認すること
作業開始前と比較して隔離場外の粉じん濃度が上昇していないことを確認します。
(2)作業場及び前室が負圧に保たれていることを確認すること
負圧が確保されているか確認します。

以上の作業基準に違反した場合、直接罰(3月以上の懲役または30万円以下の罰金)が適用されます。

2 その他の石綿含有建材

(1)石綿含有けい酸カルシウム板第1種(規則別表第7 4の項)

ア 切断、破砕することなくそのまま建築物等から取り外すこと
イ アの方法が技術上著しく困難なときは、次の措置を講じること
1.除去部分の周辺を事前に事前に養生(注釈)すること
(注釈)養生時の負圧管理は不要です
2.除去する建材を薬液等(水を含む。)により湿潤化すること
ウ 除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること

(2)石綿含有仕上塗材(規則別表第7 3の項)

ア 除去する石綿含有仕上げ塗材を薬液等(水を含む。)により湿潤化すること
イ 電動グラインダーその他の電動工具を用いて除去する時は、除去を行う部分の周辺を事前に養生(注釈)してから湿潤化すること
(注釈)養生時の負圧管理は不要です
ウ 湿潤化及び養生と同等以上の効果を有する措置(注釈)を講じること
(注釈)十分な集じん機能を有する集じん装置付きの工具を使用する工法など
エ 除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること

(3)その他の石綿含有成形板等(規則別表第7 4の項)

ア 切断・破砕等することなくそのまま建築物等から取り外すこと
イ アの方法が技術上著しく困難なときは、除去する建材を薬液等(水を含む。)により湿潤化すること
ウ 除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること

作業結果の報告等(法第18条の23第1項関係)

  1. 元請業者、下請負人が特定工事の施工分担関係に応じて、特定粉じん排出等作業の実施状況の記録を特定工事が終了するまでの間保存します。
  2. 特定粉じん排出等作業が終了した時には、取り残しがないことなど作業が適切に完了したことを「建築物石綿含有建材調査者」又は「石綿作業主任者」が目視で確認します。
  3. 作業の完了が確認できたら、作業場内の特定粉じんの清掃を行います。
  4. 発注者に作業が完了したことを書面で報告します。
  5. 事前調査結果の写し、調査結果の説明に使用した書類等、特定粉じん排出等作業に関する記録は、工事が終了した日から3年間保存します。

発注者の配慮

発注者は、元請業者が行う事前調査に必要な費用を適正に負担し、事前調査に必要な資料を提供するなど、当該調査に協力する義務があります。
発注者は、特定工事の施工者に対し、作業基準のを妨げるおそれのある条件を付
さないようにする義務があります。 

最近の大気汚染防止法等の一部改正について

1 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成17年12月21日政令第378号)

(1)特定建築材料の指定

規制の対象となる特定建築材料として、石綿を含有する断熱材等を追加。

  • 従来:吹付け石綿
  • 改正後:吹付け石綿並びに石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材

(2)特定粉じん排出等作業の指定

規制の対象となる特定粉じん排出等作業について、規模等の要件を撤廃。

  • 従来:耐火建築物又は準耐火建築物で延べ面積が500平方メートル以上のものを解体、改造又は捕集する作業であって、その対象となる建築物における特定建築材料の使用面積の合計が50平方メートル以上であるもの
  • 改正後:特定建築材料が使用されている建築物を解体、改造又は捕集する作業

2 大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成17年12月21日環境省令第34号)

アスベストの飛散予防のために遵守すべき作業規準を改正し、工事の施工者に対し作業の内容を見やすい場所に掲示すること等を義務付け。

3 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成18年8月11日政令第269号)

石綿が使用されている建築物に加え、石綿が使用されている工作物についても解体作業等による飛散防止対策を義務付け。

  • 従来:特定建築材料が使用されている建築物
  • 改正後:特定建築材料が使用されている建築物その他工作物

4 大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成18年8月11日環境省令第25号)

石綿が使用されている工作物を規制の対象に追加したことに伴い、特定粉じん排出等作業実施届出書の様式等を改正するとともに、工作物に係る作業基準についても、建築物に係る作業基準の内容と同様とした。

5 大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成25年6月21日法律第58号)

特定粉じん排出等作業実施届出書の届出者が施工者から発注者に変更され、施工者から発注者への調査結果説明の規定を創設。

6 大気汚染防止法の一部を改正する法律(令和2年6月5日法律第39号)

主な改正点は次のとおりです。

(1)法律の規制対象となる特定建築材料が全ての石綿含有建材に拡大
(2)一定の知見を有する者による書面調査・現地調査など調査方法を法定化
(3)一定規模以上等の建築物について石綿含有建材の有無に関わらず調査結果の市等への報告の義務付け
(4)隔離等をせずに吹付け石綿等の除去作業を行った場合等の直接罰の創設
(5)作業結果の発注者への報告の義務付け
(6)調査に関する記録及び作業記録の作成・保存の義務付け

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