新春対談

ページ番号1068758  更新日 2025年12月25日 印刷

棒の手がつなぐ地域の輪
~伝統芸能のこれまでとこれから~

棒の手保存会の3人と太田市長

市内の各地域で戦国時代から脈々と受け継がれ、親しまれてきた伝統芸能「棒の手」。今年開館40周年を迎える棒の手会館を会場に、地域に根づく棒の手の魅力や、棒の手にかける思いを豊田市棒の手保存会の会長と若手お二人に伺いました。

(左から、四郷地区棒の手保存会の福岡育大さん、宮口地区棒の手保存会の平野美空さん、豊田市棒の手保存会会長の柴田和則さん、太田市長)

棒の手とは・・・

今から500年ほど前の戦国時代に、主に愛知県内の農民が自分たちの身を守るために棒を使い行っていた武術訓練が「棒の手」の始まりといわれています。時を経て、神社仏閣に奉納する演技へと変化し、現在では祭りや様々なイベントでも披露するなど地域に根ざした農民武芸として親しまれています。豊田市の棒の手は、鎌田流、見当流、藤牧検藤流、起倒流の4つの流派、全25支部で活動しており、昭和32年に県無形民俗文化財に最初に指定されてから、来年で70年を迎えます。
(指定時期は市内の地域ごとに異なる)

伝統芸能「棒の手」の魅力

柴田会長

市長 棒の手が残る愛知県内を中心とした地域の中で、豊田市は大きな規模で活動が続いていますよね。豊田市の棒の手について教えていただけますか。
柴田 百姓足軽が戦場で自分たちの身を守るために棒を持って武術訓練をしていたのが始まりだと聞いています。小牧・長久手の合戦にも総動員で駆け付けて活躍したとか。江戸時代には猿投神社へ奉納するための演技となっていきますが、この地域に住む先輩方が何百年もずっと守ってきてくれたおかげで、これだけ歴史のある伝統芸能として今に伝わっているのだと思います。
市長 これだけ続いてきた棒の手の魅力って何だと思いますか。
福岡 観客目線と演者目線でそれぞれに魅力があるのですが、まず観客目線だと、迫力を楽しめることです。生死を懸けた戦いがルーツなので、鎌ややりなどを使った迫力ある演技は見ていてすごく楽しいと思います。演者としての魅力は、演じる面白さがあるのはもちろんですが、やはり地域のつながりを強く感じられることが一番ですね。私は3歳から棒の手を始めて約30年になります。棒の手を通じた多世代での交流や仲間と切磋琢磨してきた経験が私自身をつくってくれたと感じますし、棒の手そのものが私のアイデンティティの1つと言っても過言ではないです。
平野 私も同じように、棒の手に関わる地域の人たちの輪の中で育ったという気持ちが強いです。棒の手は自分の暮らしの中で、すごく大きな存在です。

棒の手という居場所がくれる安心感

福岡さんと平野さん

市長 棒の手を通じて育て・育てられるという関係性が地域に根付いているのですね。
平野 そうだと思います。棒の手のコミュニティは、大人が子どもを見守って、その子どもたちが大きくなったら次の世代の子どもたちを見守り育てていくという循環がずっと続いて成立しています。その中で生まれる温かい関係性が、居心地の良さや親しみに繋がっている、というのをこれまでの経験から感じます。
福岡 私も特に社会人になってからは、家庭、職場に加えて、棒の手という3つ目の居場所が存在することの有り難みを感じています。いつでも温かく受け入れてくれる、心のよりどころです。
平野 大人になった今でも、周りの仲間や先輩たちが見守ってくれている安心感がありますね。
市長 地域の人のつながりがもたらすものは大きいですよね。

 

守り、続ける、その先を目指して

太田市長

市長 これからの棒の手はどうあるべきか、展望はありますか。
福岡 私なりの理想は、「伝統だから続ける」ではなく「楽しいから続く」伝統芸能であるべきということです。私は大学時代を東京で過ごしましたが、棒の手のために豊田市へ戻ってきました。それは棒の手が楽しいからであり、地域の仲間が大切だからでした。仲間と一緒に豊田市で続く棒の手を守っていきたいのです。それと、棒の手の存在をどんどん発信していきたいです。これまでも市内外の様々なイベントで演技を披露したり体験してもらったりしていますが、まだまだ出来ることはあると思います。豊田市と棒の手を同時にPRできるような映像を市内各地で撮っていきたいとも考えています。
平野 そういった活動を通じて「地元を愛し協力する棒の手」であり「地元に愛され応援される棒の手」でありたいと思います。大好きな棒の手が日本を代表する伝統芸能の一つとして認知してもらえるよう、楽しみながらチャレンジしたいです。
市長 柴田会長、熱い若者がいて頼もしいですね。
柴田 はい。彼らに憧れている小・中学生がたくさんいるんですよ。先輩を目標に頑張っているという話を良く聞きます。素晴らしい後継者が育っていること、保存会長としてこんなに嬉しいことはありません。とても誇りに思います。
市長 本当にそうですね。地域の中で育まれたつながりが、棒の手という伝統を力強く支えていることを改めて感じました。世代を越えて受け継がれる皆さんの思いが、これからの豊田市の文化をさらに豊かにしていくことを期待しています。

  • 地元の祭りで披露した演技(左が平野さん)
  • 2017年、デトロイト美術館で行った親善イベントでの交流の様子
  • 2017年、デトロイト美術館で行った親善イベントでの交流の様子
  • 香嵐渓での撮影の様子
  • 香嵐渓での撮影の様子2
  • 地元の祭りで披露した演技

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