この人に、会いに。 Vol.03
一玉一玉に 真心を込める桃づくり
桃農家・森敏康さん
森敏康(もり としやす)さん
舞木町在住。作業中は必ずラジオを聴く。壊れては買い替えを繰り返し、気づけばポータブルラジオは10台目に突入している。
常に桃のことを 一番に考える
理想の桃を収穫できるまで、作り続けたい
夏の訪れとともに旬を迎える桃。猿投地区は県内でも有数の桃の産地として知られています。
この地で、日川白鳳をはじめ7品種の桃を育てているのが、森敏康さん。代々農業を営む家に生まれ、7代目として40年にわたり桃づくり一筋に情熱を注いできました。
幼い頃から家業を手伝っていた森さんは、「他の道も考えたけれど、猿投山を見渡せるこの景色の中で桃を育てるのが、何より心地よかった」と農業の道を選んだ理由を振り返ります。
森さんの一日は、桃畑の見回りから始まります。「葉の色が少しでも違うと気になるね」と森さん。桃づくりで特に苦労しているのは、木の管理だといい、「桃は繊細な果物。木のわずかな異変に気づけず、枯らしてしまうこともあった」と続けます。日々、木の状態を見ながらこまめな手入れが欠かせない桃づくりですが、就農した頃は今より高さのある木で作業が大変だったそうです。
森さんは、作業のしやすさを求め、木の仕立て方を見直すことに。桃の名産地である山梨県や岡山県の桃農家を何度も訪ねました。 そこで参考にしたのが、木の高さを低く抑える「低樹高栽培」。猿投の気候や土質にも合うよう、木の高さや枝の広げ方などに独自の工夫を重ね、木の状態を細かく確認できる仕立て方を確立しました。
桃づくりは、冬のせん定に始まり、蕾や花の数の調整、人工授粉、実の選別、袋掛け、そして収穫と、一年を通じて続きます。「一つひとつ丁寧な手作業が大切」と話す森さんにとって、従業員の皆さんの存在は何よりの支えに。「一人ではとてもできない。ここまで続けてこれたのは、みんなのおかげだよ」。
6月下旬、森さんの桃は収穫の最盛期を迎えていました。「40年続けても、自分の桃に満足したことはない。理想の桃を目指して、やれるところまでみんなと一緒に作り続けたい」と変わらぬ情熱を語ってくれました。
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