広報とよた2021年8月号 特集 この町並みを未来へ 重要伝統的建造物群保存地区選定10周年~足助の町並み~

ページ番号1044895  更新日 2021年8月1日 印刷

足助の町並みが国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されてから10年が経ちました。歴史ある町並みを守るためのこれまでの歩みや、ここに暮らす人々が新たな歴史をつむぎ、この町並みを未来につなげるための取組を紹介します。

旧田口家住宅

代表的な足助の町並み
(1)平入の旧田口家住宅とそれに隣接する妻入の家屋(2)真弓橋から見る足助川沿いの風景(3)元々土蔵であった建物を転用した店舗(4)足助の町並みから見える真弓山と足助城(5)土蔵が左右に建ち並ぶマンリン小路。防火を意識した下見板張り、漆喰塗籠が見られる(6)大正元年(1912年)に銀行として建造され住民の熱意により保存された足助中馬館(7)川沿いの斜面を利用して建てられた小出家住宅

商家町・足助

足助は、かつて尾張・三河から信州を結ぶ伊那街道(飯田街道)の重要な中継地にあたり、物資の運搬や人々の通行の要所として栄えた商家町です。
町並みには、当時重要な交易品であった塩を扱う問屋が多く存在しました。足助で詰め替えられた塩は「足助塩」「足助直し」と呼ばれ、信州へと送られました。このことから、伊那街道は「塩の道」と呼ばれていました。また、物資を馬に乗せて運搬する仕事を「中馬(ちゅうま)」と呼んだことから、「中馬街道」とも呼ばれていました。
足助の町並みの大部分は、安永4年(1775年)の大火で焼失しましたが、大火直後から町並みは再建され、現在でも江戸時代後期から明治期に建てられた建物が数多く残されています。また、大正期以降に建てられた建物の中にも、伝統的な町家の形式を踏襲したものがあり、情緒のある町並みの景観が保たれてきました。

特徴的な町並み

足助の町並みの特徴は、平入と妻入の町家が混在するところにあります。町家は漆喰塗り2階建てのものが多く、主屋、土蔵、離れ座敷などが密集して建てられています。

イラスト 平入と妻入の町家の特徴
語句説明
出入り口が妻側→「妻入」
出入り口が平側→「平入」

町並みを守るために

江戸時代から明治期に商家町として栄えた足助の人口は昭和30年代をピークに減少し、町並みには空き家や空き地が目立ち始めました。
この状況を見た地元の有志が集まり、昭和50年に「足助の町並みを守る会」が発足し、町並みの保存運動が進められました。現在、足助の金融・交通などの資料を展示している足助中馬館も、一度は取り壊される計画が持ち上がりましたが、足助の町並みを守る会が建物の保存を要望したことによって、建物は守られ、資料館として活用されることになりました。
こうした住民たちの努力が世代から世代へと受け継がれ、守られてきた足助の町並みは、平成23年に県内で初めて、国の「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」に選定されました。
選定以降、足助の町並みの美しい景観を維持するためのルールに基づき、修理修景補助金も活用しつつ、町並みの整備が進められています。

選定から10年

足助の町並みでは、重伝建選定からの10年の間に、30件に及ぶ建物の修理・修景が行われてきました。
また、町並みのほぼ中央に位置し、地区内で屈指の規模を誇る町家である旧鈴木家住宅が重要文化財に指定されました。
今後は、活気ある美しい足助の町並みを次の世代へつなげるため、住民の皆さんと共に足助の町並みの魅力をさらに発信していきます。

重要伝統的建造物群保存地区制度とは?

伝統的建造物群保存地区制度とは、周囲の環境と一体をなして歴史的な風致を形成している伝統的な建造物群を文化財として捉え、これと一体をなして歴史的価値を形成する環境を含めて保存するための制度です。その中でも特に価値の高い地区を国が「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」として選定しています。
景観を守るために重伝建では建物を修理や新築する際に制約がかかりますが、一方で補助金などの助成が受けられます。

修景前の建物
修景前
修景後の建物
修景後

制度に基づき修景した住居
修景前周辺の伝統的な建物の意匠にならって外観を計画し、新築した住居です。

重伝建地区選定10周年事業実行委員会が発足し足助の町並みの未来を考えています

今年度、重伝建地区選定10周年事業実行委員会が発足し、重伝建選定後の10年間を振り返りながら、足助の町並みの未来や今後の新たな取組について話し合う場を設けています。
委員会は、重伝建のまちづくりの中心として携わってきた人だけでなく、子育て世代など、異なる立場の人たちで構成されており、様々な視点から町並みを生かした取組について意見交換をしています。

重伝建地区選定10周年事業実行委員会の会議の様子
実行委員会の様子

インタビュー

実行委員会のメンバーである平野さん、増田さんに足助の町並みへの思いを聞きました。

活気あるまちを未来へ

足助で生まれて一度地元から出た後、家業を継ぐために足助に戻ってきました。重伝建選定から10年が経ち、整備されてきたまちですが、足助の町並みを未来に繋いでいくためには、町並みという財産を生かして、もっと活気のあるまちにしていかなくてはと感じています。私たち住民一人一人が足助のことを真剣に考えて行動して、未来へつなげていきたいです。(平野 雅人さん)

自然と人がつながる温かいまち

結婚を機に、夫の実家がある足助で暮らし始めました。足助の町並みは家が隣接しているということもあり、近所の皆さんとは自然とつながりが生まれ、いつも親切にしてもらっています。子どもにとっても温かいまちだと思うので、子育て世代の人たちがもっと増えて、いつまでも子どもの声が聞こえるまちになっていると嬉しいです。(増田 比呂子さん)

今年度は、実行委員会の中で考えたアイデアを基に、足助の町並みを舞台としたローカルツアーを実施したり、足助の町並みの良いところをローカルメディアで発信するなどの取組を実施していく予定です。また、昨年度好評だった足助の町並みを使った縄文土器の展示も開催する予定です。皆さんぜひ一度、重伝建選定から10年を迎えた足助の町並みを見に来てください。(文化財課足助分室 木原 将志)

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このページに関するお問合せ

生涯活躍部 文化財課 足助分室
業務内容:豊田市足助伝統的建造物群保存地区や旧鈴木家住宅に関すること
〒444-2424
愛知県豊田市足助町宮ノ後26-2(とよたiマップの地図を表示 外部リンク)新しいウィンドウで開きます
電話番号:0565-62-0609 ファクス番号:0565-62-0606