広報とよた2020年3月号 特集 地域で、育てる。

ページ番号1036694  更新日 2020年6月22日 印刷

子育てが「孤育て」に

一人一人のライフスタイルの多様化が進んだ現代。少子化、核家族化、共働き世帯やひとり親世帯の増加、家庭と地域との関係(いわゆる「ご近所づきあい」)の希薄化などにより、子どもの孤立化、家庭の教育力や地域力の低下が懸念されています。また、親が子育ての不安や悩みを誰にも相談できず、孤立した中で子育てに向き合う「孤育て」も問題になっています。ひと昔前までは、歳の近い子どもが近所にたくさんいて、大人の目の届く範囲で遊べる場所がたくさんあって、地域の大人に会えばあいさつを交わす。それが当たり前のことでした。子どもにとっては、親以外の大人と関わる機会が今より多かったと言えます。そして、子育て中の親は、近所の人と何気ない会話の中で子育ての悩みなどを打ち明けることができていました。現在では、これらはなかなか難しいことになりつつあります。

注目される「地域」の力

そんな中、いま再び注目されているのが「地域」の力です。
市が行った調査では、大人との関わりが子どもの自己肯定感を高めるということが分かりました。つまり、地域の大人と関わる機会が増えることは、子どもの健やかな成長を助けてくれます。また、身近な人が子育てを支え合う環境ができることは、「孤育て」の解消にもつながります。

地域で子どもを育てる

これまでも、地域と子どもが関わる機会として、子ども会や自治区の催しなど、様々な取組が行われてきました。これに加えて最近では、子ども食堂や学習支援といった「子どもの居場所」を作る取組が広まっています。
今号の特集では、「地域で育てる」という目線から、地域と子どもたち、地域と学校を結ぶ2つの取組を紹介します。

子ども食堂で食事をする子どもたちのイメージ写真
子ども食堂

地域×子ども 地域子どもの居場所づくり

「こんにちはー!」と元気なあいさつをしながら、岩滝町区民会館に続々と入ってくる子どもたち。毎週木曜日、子どもたちは学校が終わると一度帰宅し、区民会館に集まってきます。
子どもたちは区民会館に着くと、名簿にチェックをして思い思いに自由に遊びます。ロビーで将棋をする子、持ってきたおもちゃで遊ぶ子、体育館でバスケットボールをする子、外の敷地内で縄跳びや鬼ごっこをする子…。以前はどこでも当たり前のように目にしていた子どもたちの姿です。
この「地域子どもの居場所づくり」は市内の自治区や学校で実施されている取組です。今回紹介する岩滝町地区の「地域子どもの居場所づくり」は、地域の有志ボランティアが集まり、「岩滝子供見守り隊」として平成18年に発足しました。居場所づくりの運営に当たっては、地域の子ども会と連携。保護者とボランティアの双方から当番を決めています。子どもにとって雨でも遊べる、楽しめる場所になることを目標にしてきました。
「ここでは、子どもは好きなことをやる。大人はそれを見ているだけです。子どもたちの笑顔と笑い声があるから、私たちも元気をもらえます」と語る岩滝子供見守り隊の皆さん。訪れる子どもたちも、「毎週、ここに来るのが楽しみ」と笑顔を見せます。
「地域子どもの居場所づくり」は、現在市内35か所で運営中。地域の皆さんの温かいまなざしが、子どもたちの未来を照らしています。

(備考)「地域子どもの居場所づくり」の実施内容は自治区・学校により異なります

写真 区民会館でバスケットボールをする子どもたち
体育館でバスケットボールをする子どもたち
写真 将棋を指す子どもたち
将棋で真剣勝負!
写真 遊ぶ子どもたちを近くで見守る大人の様子
大人が見守っているので安心して遊べる

「子どもは地域の宝」
子どもは、居てくれるだけで地域が元気になる、地域の宝です。私たちはこの考えのもとで、子どもたちが自由に遊べる場所を提供しています。
私は通学路沿いに農地を持っているのですが、この活動に関わるようになってから、学校帰りの子どもたちが通りがかると「おじさん、ただいま!」と言ってくれるようになったのが嬉しいですね。子どもたちの笑顔を見られるこの活動に、とてもやりがいを感じています。(岩滝子供見守り隊 代表 松澤昭夫さん)

地域×学校 地域学校共働本部

小~中学校の9年間、子どもたちの多くは自分の住む地域の学校に通います。豊田市では、地域の未来を担う子どもたちが将来どんな人に育ってほしいかを学校・地域・家庭でともに考え、地域ぐるみで子どもたちの学び・育ちを支援する取組が始まっています。その中心を担う1つが、市内各小・中学校に設置されている「地域学校共働本部」です。
地域学校共働本部は、共働本部の仕組みづくりを支援する「推進アドバイザー」と、実際に学校と地域住民とを結びつける「地域コーディネーター」、そして地域住民や保護者からなる「地域ボランティア」で成り立っています。それぞれの学校により活動内容は異なりますが、令和元年度中にはすべての小・中学校に設置される予定です。
地域学校共働本部があることで、実際に子どもや地域、学校にはどんなメリットがあるのでしょうか。すでに実施している共働本部からは「子どもが地域の人にあいさつができるようになった」、「先生以外の大人に褒められ自分に自信が持てた」などの声が寄せられています。また、保護者や地域住民からは「子どもと触れ合うことで元気をもらった」、「子どもの通う学校の様子がよくわかって良かった」との声があり、学校からは「地域ボランティアの授業支援が子どものやる気を引き出し、学びを深められた」と、様々な喜びの声が上がっています。
地域ぐるみで子どもを育てることが、豊かな地域づくりにつながっていく―。そんな未来を目指しています。

寺部小学校の地域学校共働本部ではこんな活動をしています!

(備考)学校により実施内容が異なります

  1. 絵本の読み聞かせではみんなが笑顔に!
  2. 地域の人が登下校を見守ってくれるから安心
  3. 先生ひとりでは大変なミシンの指導に地域ボランティアが大活躍
  4. 子どもにとっても、大人にとっても、いい居場所
  5. 子どもたちの趣味や特技が豊かになるよう、講師を招いて土曜日に様々な教室を開催
  6. 学芸会の背景や小道具作りも地域ボランティアがサポート
  7. 夏休みの平日限定で、交流館で勉強会を実施
絵本の読み聞かせではみんなが笑顔に!
読み聞かせ
地域の人が登下校を見守ってくれるから安心
登下校見守り
先生ひとりでは大変なミシンの指導に地域ボランティアが大活躍
ミシン補助
子どもにとっても、大人にとっても、いい居場所
居場所づくり
子どもたちの趣味や特技が豊かになるよう、講師を招いて土曜日に様々な教室を開催
土曜学習
学芸会の背景や小道具作りも地域ボランティアがサポート
学芸会背景作成
夏休みの平日限定で、交流館で勉強会を実施
高橋未来塾

推進アドバイザー
市内全ての地域学校共働本部がどのような活動をしていくか道筋を立てるのが私の仕事です。学校が地域に支援してもらう側面もありますが、せっかく地域と学校が連携するなら地域にもメリットがないと意味がありません。参加している地域ボランティアの皆さんは「子どもだけじゃなく、私の居場所にもなっている」と喜んでくれています。地域の人たちが気軽に子どもと関われる仕組みを作りたいですね。(推進アドバイザー 近藤悟さん)

地域コーディネーター
寺部小学校と地域の人たちとの連携を実際に調整しています。先生はいつか異動しますが、地域の人はずっと居続けます。だからこそ、地域の人が子どもに積極的に関わってくれることはとても良いことだと思います。参加する子どもたちも楽しそうです。また、先生が子どもを教えることに集中できるようにすることも仕事の1つ。地域ボランティアの皆さんのおかげでより良い教育環境を整えることができ、助かっています。(寺部小学校 地域コーディネーター 橋本光時さん)

地域ボランティア
自分の子が入学したのをきっかけに、読み聞かせボランティアを始めて20年になります。昨年は小学6年生の子たちが最後の読み聞かせの時に「今までありがとう」と言いに来てくれました。ボランティアをやっていて本当に良かったです。地域の子どもたちの成長を見られるのは気持ちがいいこと。楽しくてやりがいがあるので、興味がある人には一緒にボランティアとして参加してほしいです!(寺部小学校 地域ボランティア 青山杉子さん)

地域の子どもと保護者
今日は土曜学習でうどん作りに参加しました。息子が料理に興味を持っていますが、家だとなかなか時間を取ってあげられないので、いい機会を与えてもらってありがたいです。放課後の居場所づくりもお友達と楽しんで参加しています。共働本部のおかげで地域の中で知り合いが増え、外で声をかけてもらえるので、より暮らしやすくなりました。

問合せ

「地域子どもの居場所づくり」については次世代育成課(電話番号:0565-34-6630)
「地域学校共働本部」については学校教育課(電話番号:0565-34-6662)

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