いろいろな分離課税
- 最終更新日:
- 2012年02月03日
退職所得、土地・建物等の譲渡所得、株式等の譲渡所得等、先物取引にかかる雑所得等、土地等に係る事業所得等、山林所得は他の所得と分離して個別に税額を算出します。
退職所得に対する分離課税
課税退職所得金額
(退職金
退職所得控除額)
1/2
税額
課税退職所得金額
税率
0.9
(注意)税率は所得に関係なく一律、市民税6%、県民税4%です。
退職所得控除額
| 勤続年数 (1年未満の端数は切り上げます) |
退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下のとき | 40万円 |
| 20年を超えるとき | 800万円 |
(注意)障がい者になったことによって退職した場合には、上の表で算出した控除に100万円を加算した金額が控除されます。
土地・建物等の譲渡所得等に対する分離課税
個人が土地や建物を売却して得た所得(譲渡所得)は、給与所得や事業所得など他の所得から区分して税額計算(分離課税)を行います。課税のしくみは、売った土地や建物を所有していた期間によって異なります。
短期譲渡所得と長期譲渡所得
土地や建物の譲渡所得は、譲渡のあった年の1月1日における所有期間の長短により次のように分けられます。
| 区分 | 土地・建物等 |
|---|---|
| 短期譲渡所得 | 所有期間5年以下(譲渡の年に取得した場合を含む) |
| 長期譲渡所得 | 所有期間5年超 |
特別控除
土地・建物などの譲渡があった場合は、一定の条件のもとに下記の特別控除額がそれぞれの譲渡所得から差し引かれる特例があります。
| 特例が受けられる譲渡 | 特別控除額 | |
|---|---|---|
| (1) | 自分が居住している土地や家屋などの譲渡の場合 | 3,000万円 |
| (2) | 土地収用法などによって土地や建物などが買い取られた場合 | 5,000万円 |
| (3) | 国・地方公共団体などが行う特定の土地区画整理事業等のために土地などが買い取られた場合 | 2,000万円 |
| (4) | 特定の住宅地造成事業等のために土地などが買い取られた場合 | 1,500万円 |
| (5) | 農業振興地域内にある農地などを農業委員会のあっ旋などによって譲渡した場合 | 800万円 |
(注意)
- 上記の特別控除が重複する場合も控除額の最高限度は5,000万円です。
- 上記の特別控除は短期譲渡所得でも適用されますが、上記の特別控除を受けられる譲渡所得に短期譲渡所得と長期譲渡所得がある場合には、まず短期譲渡所得の方から控除し次に長期譲渡所得から控除します。
税額の計算
{譲渡の収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額}×税率
課税譲渡所得金額
短期譲渡所得の税額計算
課税譲渡所得金額
(所得税30%、市民税5.4%、県民税3.6%)
(注意)国や地方公共団体等に譲渡した場合は税率の軽減等があります。
長期譲渡所得の税額計算
1.一般の長期譲渡所得
| 課税譲渡所得金額 | 税率 | ||
|---|---|---|---|
| 所得税 | 市民税 | 県民税 | |
| 所得金額にかかわらず一律 | 15% | 3.0% | 2.0% |
2.長期譲渡所得の課税の特例
(1)優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合
| 課税譲渡所得金額 | 税率 | ||
|---|---|---|---|
| 所得税 | 市民税 | 県民税 | |
| 2,000万円以下の部分 | 10% | 2.4% | 1.6% |
| 2,000万円超の部分 | 15% | 3.0% | 2.0% |
(注意)収用交換等の5,000万円特別控除などの課税の特例を適用した場合は、この課税の特例を適用できません。
(2)居住用財産を譲渡した場合
| 区分 | マイホームの譲渡 | |||
|---|---|---|---|---|
| 所有期間10年超 | 所有期間10年以下 | |||
相続等により取得した居住用財産の譲渡
|
特定の居住用財産の譲渡
|
左記以外 | ||
| 3,000万円特別控除 | ||||
| 軽減税率の特例 | ||||
| 買換え(交換)の特例 | ||||
注釈1、2どちらかを選択
(注意)特例を受けるためには、上記の他にも一定の要件を満たす必要があります。
軽減税率の特例
譲渡した年の1月1日現在で、所有期間が10年を超える居住用家屋及びその敷地を売った場合は下表のように通常より低い税率で課税されます。この特例は、3,000万円特別控除と併用して適用できますが、買換え(交換)の特例の適用を受ける場合には適用できません。| 課税所得金額 | 税率 | ||
|---|---|---|---|
| 所得税 | 市民税 | 県民税 | |
| 6,000万円以下の部分 | 10% | 2.7% | 1.3% |
| 6,000万円超の部分 | 15% | 3.4% | 1.6% |
(注意)土地、建物等の譲渡所得の損失については、他の所得との損益通算及び翌年以降の繰越控除はありません。ただし、居住用財産にかかる譲渡損失については一定の要件で損益通算及び繰越控除の適用ができます。
先物取引(商品先物取引)に対する分離課税
| 課税所得金額 | 税率 | ||
|---|---|---|---|
| 所得税 | 市民税 | 県民税 | |
| 所得金額にかかわらず一律 | 15% | 3.0% | 2.0% |
一定の要件で先物取引による所得の損失が生じた場合、先物取引による所得内で翌年以降3年間の繰越控除の適用ができます。
山林所得に対する分離課税
山林の伐採または譲渡による山林所得は以下の計算式で計算します。
税額=山林所得×税率
(注意)税率は一律、市民税6%、県民税4%です。
株式等の譲渡所得に対する分離課税
源泉徴収を選択した特定口座内の株式等の譲渡所得は原則申告不要であり、道府県民税株式等譲渡所得割が特別徴収されます。また、原則申告不要の譲渡所得を申告した場合は、市県民税・所得税いずれも下記のとおり分離課税されます。
| 区分 | 平成16年1月1日~平成25年12月31日 | 平成26年1月1日~ |
|---|---|---|
| 上場株式等の譲渡 | 10% (所得税7%、市県民税3%) |
20% (所得税15%、市県民税5%) |
| 未公開株式等の譲渡 | 20% (所得税15%、市県民税5%) |
|
(注意)他の所得との損益通算はありません。
上場株式等の配当所得の申告分離課税制度
配当所得は原則として総合課税の対象とされていますが、平成21年1月1日から平成25年12月31日までの間に支払を受けるべき上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)については、所得税7%・市県民税3%の税率による申告分離課税を選択できます。申告する上場株式等の配当等については、その全額について、総合課税を選択するか、それとも申告分離課税を選択するかを統一しなければなりません。
1 上場株式等の配当等の源泉徴収
平成21年1月1日から平成25年12月31日までの間に支払を受けるべき上場株式等の配当等については、所得税7%・市県民税3%の税率により、源泉徴収が行われます。
2 配当控除の適用
申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の適用はありません。
3 上場株式等に係る譲渡損失がある場合
平成21年以後の年分において、上場株式等に係る譲渡損失の金額がある場合又はその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額のうち、前年以前で控除されていないものがある場合には、一定の要件の下、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得の金額から控除することができます(当該上場株式等の配当所得の金額を限度とします)。
4 その他
上場株式等の配当等に関する課税関係の主な部分を整理すると、次のとおりです。
| 確定申告をする | 確定申告をしない | ||
|---|---|---|---|
| 総合課税を選択 | 申告分離課税を選択 | ||
| 税率 | 所得税:累進税率 市県民税:10% |
所得税:7% 市県民税:3% |
所得税:7% 市県民税:3% |
| 配当控除 | あり | なし | なし |
| 上場株式等の譲渡損失との損益通算 | なし | あり | なし |
| 扶養控除等の判定 | 合計所得金額に含まれる | 合計所得金額に含まれる(注釈) | 合計所得金額に含まれない |
(注釈)上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後で、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額になります。
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